🐈せっかく猫になったのに~病弱な第二王子に身代わりを押し付けられた件

tobe

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1 フォレサクレ王国

2 曲者(くせもの)である

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バサバサバサ!!!


な、何? 
慌てて枕の陰に隠れて、窓の方を見ると、数羽の鳥が飛んでいくのが見えた。

なあんだ、鳥かあ
ふうっと緊張を緩めるけど、今の僕の大きさからしたら鳩だってけっこうな大きさだよね?
王城の周りにカラスとか居るのかな?肉食の鳥とかいたら僕なんてすぐに食べられちゃいそうだよね?

ピョンと窓枠に飛び乗る

「……たしもその場に居たかったあ」
「ホントに偶然なの」
「でも お見かけしたんでしょ?」
「いいなあ ホンモノの王子様!」
「「きゃー」」

声の主を見ようと窓にはりついて見たけど、窓の真下に居るらしくて全く見えない、残念。

この窓から見える景色は、日本とは全く違う。王族が居たり、魔法が有ったりするんだからここは異世界って事はなんなく理解しているけど、景色は古い外国っぽいカンジ?”グリムランド”とか”中世再現サンド”みたいなテーマパークとかあったらこんな感じかな?つまり絵本やカレンダーなんかで見た事が有るような気がしちゃう風景

それか、妹が大好きだったライトノベルの婚約破棄だとか溺愛王子様モノに出てくる世界がこんな感じかもしれない。

すらすらと思い出したことに自分でも驚いた。そうそう、僕、前世は日本って国に居て妹もいたんだっけなあ、ホントに転生ってあるんだねえ……あれ!レーナだ!長い黒いスカートをはいた女の人とレーナがこっちに向かって歩いてくる

「ナー ナー ナー!!!」

レーナが僕の声が聞こえたかのように僕の方を見て、笑ってくれた。偶然じゃないよね 僕の声が聞こえたんだよね

満足!!

僕はスチャ!っと床に飛び降りて、ついでに そこにあったボールをつついてやった。そのボールはなんだかクネクネと変な動きをする鳥の羽のしっぽまでついている。

さっき僕を羽音で脅かした鳥の事を思い出したから、羽にパンチ!してやった。でも羽はなんだか挑戦的な動きをする。

受けてやるぜ!
ファイト!
小さいと思って甘く見るなよ!





目が覚めると、僕はベッドの上で寝ていて、目の前にレーナの顔があった。
閉じられたまつ毛が長くて 顔にかかる水色の髪はふわふわと柔らかそうで、うん、僕のレーナはこの世界で一番かわいい。
ううん、元の世界まで入れてもこんなに可愛い女の子はいないよ

ペロリとレーナの頬っぺたを舐めた。

ちょっと暑くない?
レーナなら 指先一つで窓の開け閉めができるんだけどなあ 

「開け~ 窓!!」

レーナは指先一つ動かさなかったけれど 僕は念を込めてしっぽまで動かした。


ガチャリ


窓でなくて、レーナの居室のドアの開く音がした。

ノックもしないで王女の部屋に入ってくるなんて不届き千万!成敗してやるぞ!と思うけれど 僕にできる事と言ったらぬいぐるみのフリをすることだけだ

ううん 違う もしもレーナに危害を及ぼすようなヤツなら 僕には爪もあるし、鋭い歯だってある。
戦ってやる!

決意を胸にレーナの手の近くにコテンと横たわって目だけをドアに向ける。

カチャ

今度は寝室(こっち)へつながるドアが開く。
すぐには誰も入ってこない、でも 音が聞こえたのか、レーナが寝返りをうった。

カチャ

ドアが閉じられて 曲者(くせもの)は居室へ戻った。ぬいぐるみになりきったまま気配を伺っていると

ガチャリ

居室のドアの音が聞こえて、気配が消えた。




ふうううう ぬいぐるみのフリは慣れているけど、今回は緊張したな~

「あー緊張したわ」

「マー」

「マダナも緊張した?」

「アー」


ベッドの上に起き上がったレーナの肩に飛び乗って首筋に身体を摺り寄せると、レーナは僕が落ちないように手を添えてくれる。

レーナはどこから起きていたんだろう?

「マダナ、今日 窓からわたくしの事みていたでしょ?」

「アー」

やっぱり見えたよねって違うよ!レーナ そんな事より曲者(くせもの)はいいの?

「ナー ナー」

「はいはい 今日の家族ディナーなの 後で何か一緒に食べましょう」

ああ、そうか 今日はレーナ食堂へ行っちゃうんだ、寂しいけど、家族団らんも大切だよねって レーナ 曲者は?

トントントン

「マグダレーナ様?」

「入ってちょうだい」

ノックの音とともにメイドが呼びかける声がして レーナはそれに応えながら寝室を出て行ってしまった。


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