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第14部
第二章 レディース・サミット3②
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――ほぼ同時刻。
クライン工房の作業場にて。
(……これは、一体どういうことなんだ?)
現在進行形で、アッシュは、ひたすら困惑していた。
だが、それも仕方のないことだった。
なにせ、彼の腕の中には今、見知らぬ少女がすっぽり納まっているのだから。
(誰なんだ? この子は?)
思わず眉をひそめる。一応、彼女は、お客さまになるはずだ。
少なくとも、最初に声を掛けてきたひょろ長い男性は、鎧機兵のメンテナンスの依頼をしようとしていた。
まあ、そんな彼も、今は愕然とした表情を浮かべているが。
アッシュは今や、彼女の腰だけでなく、後頭部も片手で押さえていた。
指先に髪が埋まる。乱れている割には柔らかい髪だ。
アッシュは髪に意識を向けた。そちらに集中しないと、凄い潰れ方をしている胸に意識が持っていかれてしまうからだ。ユーリィ並みに小柄なのになんという破壊力か。
それを容赦なく押し付けてくるのである。この少女は。
こればかりは、流石に気持ちが落ち着かない。
(……けどよ)
アッシュは改めて、少女の様子を窺った。
彼女は未だ「トウヤぁあ、トウヤああぁ」と、アッシュの本名を連呼していた。
ここに至っては、流石に彼女は自分の知り合いなのだろうと理解していた。
そうでなければ、その名前が口から出る訳がない。
少なくとも、以前に会ったことはあるはずだ。
(けど、一体、いつ会ったんだ?)
少女の頭を撫でながら記憶を探ってみるが、彼女のことが一向に思い出せない。
ただ、その失われた名前を知っているということは、彼女と出会ったのは八年以上も前ということになる。それ以降に、その名を名乗ったことはないからだ。
(八年前って、この子が六歳か七歳の頃か? コウタと同年代っぽいが、まさか、クライン村の……いや、コウタの幼馴染にこんな子は……)
眉根を寄せた、その時だった。
不意に、ふわっと良い匂いがした。
彼女が、より強くしがみついて来たのだ。
その瞬間、鮮明に記憶が蘇ってきた。
『またな!』
かつて、そう告げてきた少女のことを。
――たった一週間。
たった一週間だけだが、今は消えてしまったあの村で世話をした少女。
確か、あの少女も傭兵だった。
「……え?」
アッシュは茫然として、彼女を少し引き剥がした。
腰には手を回したまま、仰け反らせるように彼女の肩に片手を添える。
少女は「ヤダああぁ、離しちゃヤダだあぁぁ!」と泣き続けていた。
涙で濡れた彼女の顔は、幼い顔立ちながらも確かな色香があった。
少しだけ背中がゾクリとするが、アッシュはそれどころではなかった。
彼女の顔に、はっきりと見覚えがあったのだ。
「お前……もしかして、レナか?」
記憶の中にある少女の面影が、彼女と重なる。
「昔、俺の村にやって来たあのレナなのか?」
「うん! オレはレナだ!」
少女――レナは、勢いよく頷いた。
アッシュは、さらに愕然とする。
「えええッ!? いや、だって、お前見た目が全く変わってねえぞ!?」
思わずアッシュは両手でレナの頬を押さえた。
腰の支えを失って、レナの両足がブランブランと揺れる。
「サク以上に何も変わってねえ!? なんでだ!?」
目をこれでもかとばかりに見開いた。
アッシュが知る限り、レナは確か自分よりも一つだけ下だったはずだ。
出会った当時の彼女の年齢は十四歳。それが八年前のことだ。
――そう。八年も前のことなのである。
「う、うそだろ……」
アッシュは、レナの両頬を掴んで饅頭のように潰しながら、唖然とした。
どう見ても、目の前の彼女は十四、五歳にしか見えなかった。
服装や、若干の髪型の変化程度はあるが、それ以外は記憶にあるあの頃のままだ。流石に唖然とするしかない。
すると、その時、レナがバタバタと足を動かして、アッシュの両腕を掴んだ。
「ふぉ、ふぉずにあで……」
頬を押さえられたまま口を開くが、上手くしゃべれないようだ。
アッシュは、少しだけ頬を押さえる力を緩めた。
ようやく、口が大きく開けるようになったレナは語る。
「昔、オズニアの遺跡にあった変な水を呑んだんだ。そん時、足も怪我しててさ。もう喉もカラカラで仕方がなく。そしたら、なんでか怪我が治ったんだ。そんでその日以降、傷の治りがやたらと早くなったんだけど、全然背が伸びなくなって……」
「何だそれ!? お前一体何を呑んだんだ!?」
「待つんだ!? 何だいその話は!? ぼくも初めて聞いたよ!?」
と、叫んだのはキャスリンだった。
アッシュは、視線を彼女の方に向けた。
キャスリンもアッシュを見つめる。二人の視線がぶつかった。
「えっと、あんたらは、レナの傭兵仲間なのか?」
「う、うん」キャスリンはおずおずと頷いた。「それより、君はもしかして『クライン村のトウヤ君』なのか?」
「いや、その名前は……」
アッシュは一瞬言い淀むが、
「……ああ。それで合ってるよ。色々あって今は別の名前を名乗っているが……」
ここでうそを付くのも憚れる。真実を口にした。
「――はあッ!? 何すかそれ!?」
「……有り得る、のか? こんな、偶然は……」
ダインとホークスも、愕然とした。
一方、レナは、
「トウヤ。トウヤ」
アッシュに対して、両手を伸ばしていた。
まるで、小さな子供が玩具をせがむように、パタパタと手を動かして。
「首が痛い。一旦降ろせ。それと全然抱きつき足りない。早くオレを抱きしめろ」
「いや、お前な」
アッシュは呆れるが、彼女を床に降ろした。
「しっかし、久しぶりだな。レナ」
「おう!」
レナは、ニカっと笑った。
笑顔まであの日と変わらない。アッシュも思わず笑みを零す。
「元気そうで何よりだ。見た目が全く変わってねえのは、マジで驚いたが」
「そういうトウヤは真っ白になったな。凄く苦労したんだな」
「いや、これは、そういう変化じゃねえんだが」
アッシュは、自分の髪を一房掴んで苦笑をする。
「ともあれ、また会えて嬉しいぞ。レナ。それにお仲間さんたちは初めましてだな。今からお茶を用意すっから待っていてくれ」
そう言って、アッシュは彼らを歓迎した。
クライン工房の作業場にて。
(……これは、一体どういうことなんだ?)
現在進行形で、アッシュは、ひたすら困惑していた。
だが、それも仕方のないことだった。
なにせ、彼の腕の中には今、見知らぬ少女がすっぽり納まっているのだから。
(誰なんだ? この子は?)
思わず眉をひそめる。一応、彼女は、お客さまになるはずだ。
少なくとも、最初に声を掛けてきたひょろ長い男性は、鎧機兵のメンテナンスの依頼をしようとしていた。
まあ、そんな彼も、今は愕然とした表情を浮かべているが。
アッシュは今や、彼女の腰だけでなく、後頭部も片手で押さえていた。
指先に髪が埋まる。乱れている割には柔らかい髪だ。
アッシュは髪に意識を向けた。そちらに集中しないと、凄い潰れ方をしている胸に意識が持っていかれてしまうからだ。ユーリィ並みに小柄なのになんという破壊力か。
それを容赦なく押し付けてくるのである。この少女は。
こればかりは、流石に気持ちが落ち着かない。
(……けどよ)
アッシュは改めて、少女の様子を窺った。
彼女は未だ「トウヤぁあ、トウヤああぁ」と、アッシュの本名を連呼していた。
ここに至っては、流石に彼女は自分の知り合いなのだろうと理解していた。
そうでなければ、その名前が口から出る訳がない。
少なくとも、以前に会ったことはあるはずだ。
(けど、一体、いつ会ったんだ?)
少女の頭を撫でながら記憶を探ってみるが、彼女のことが一向に思い出せない。
ただ、その失われた名前を知っているということは、彼女と出会ったのは八年以上も前ということになる。それ以降に、その名を名乗ったことはないからだ。
(八年前って、この子が六歳か七歳の頃か? コウタと同年代っぽいが、まさか、クライン村の……いや、コウタの幼馴染にこんな子は……)
眉根を寄せた、その時だった。
不意に、ふわっと良い匂いがした。
彼女が、より強くしがみついて来たのだ。
その瞬間、鮮明に記憶が蘇ってきた。
『またな!』
かつて、そう告げてきた少女のことを。
――たった一週間。
たった一週間だけだが、今は消えてしまったあの村で世話をした少女。
確か、あの少女も傭兵だった。
「……え?」
アッシュは茫然として、彼女を少し引き剥がした。
腰には手を回したまま、仰け反らせるように彼女の肩に片手を添える。
少女は「ヤダああぁ、離しちゃヤダだあぁぁ!」と泣き続けていた。
涙で濡れた彼女の顔は、幼い顔立ちながらも確かな色香があった。
少しだけ背中がゾクリとするが、アッシュはそれどころではなかった。
彼女の顔に、はっきりと見覚えがあったのだ。
「お前……もしかして、レナか?」
記憶の中にある少女の面影が、彼女と重なる。
「昔、俺の村にやって来たあのレナなのか?」
「うん! オレはレナだ!」
少女――レナは、勢いよく頷いた。
アッシュは、さらに愕然とする。
「えええッ!? いや、だって、お前見た目が全く変わってねえぞ!?」
思わずアッシュは両手でレナの頬を押さえた。
腰の支えを失って、レナの両足がブランブランと揺れる。
「サク以上に何も変わってねえ!? なんでだ!?」
目をこれでもかとばかりに見開いた。
アッシュが知る限り、レナは確か自分よりも一つだけ下だったはずだ。
出会った当時の彼女の年齢は十四歳。それが八年前のことだ。
――そう。八年も前のことなのである。
「う、うそだろ……」
アッシュは、レナの両頬を掴んで饅頭のように潰しながら、唖然とした。
どう見ても、目の前の彼女は十四、五歳にしか見えなかった。
服装や、若干の髪型の変化程度はあるが、それ以外は記憶にあるあの頃のままだ。流石に唖然とするしかない。
すると、その時、レナがバタバタと足を動かして、アッシュの両腕を掴んだ。
「ふぉ、ふぉずにあで……」
頬を押さえられたまま口を開くが、上手くしゃべれないようだ。
アッシュは、少しだけ頬を押さえる力を緩めた。
ようやく、口が大きく開けるようになったレナは語る。
「昔、オズニアの遺跡にあった変な水を呑んだんだ。そん時、足も怪我しててさ。もう喉もカラカラで仕方がなく。そしたら、なんでか怪我が治ったんだ。そんでその日以降、傷の治りがやたらと早くなったんだけど、全然背が伸びなくなって……」
「何だそれ!? お前一体何を呑んだんだ!?」
「待つんだ!? 何だいその話は!? ぼくも初めて聞いたよ!?」
と、叫んだのはキャスリンだった。
アッシュは、視線を彼女の方に向けた。
キャスリンもアッシュを見つめる。二人の視線がぶつかった。
「えっと、あんたらは、レナの傭兵仲間なのか?」
「う、うん」キャスリンはおずおずと頷いた。「それより、君はもしかして『クライン村のトウヤ君』なのか?」
「いや、その名前は……」
アッシュは一瞬言い淀むが、
「……ああ。それで合ってるよ。色々あって今は別の名前を名乗っているが……」
ここでうそを付くのも憚れる。真実を口にした。
「――はあッ!? 何すかそれ!?」
「……有り得る、のか? こんな、偶然は……」
ダインとホークスも、愕然とした。
一方、レナは、
「トウヤ。トウヤ」
アッシュに対して、両手を伸ばしていた。
まるで、小さな子供が玩具をせがむように、パタパタと手を動かして。
「首が痛い。一旦降ろせ。それと全然抱きつき足りない。早くオレを抱きしめろ」
「いや、お前な」
アッシュは呆れるが、彼女を床に降ろした。
「しっかし、久しぶりだな。レナ」
「おう!」
レナは、ニカっと笑った。
笑顔まであの日と変わらない。アッシュも思わず笑みを零す。
「元気そうで何よりだ。見た目が全く変わってねえのは、マジで驚いたが」
「そういうトウヤは真っ白になったな。凄く苦労したんだな」
「いや、これは、そういう変化じゃねえんだが」
アッシュは、自分の髪を一房掴んで苦笑をする。
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