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「すみませーん!」
その先には人影が。
「きゅぁ?」
(第一村人発見?)
フェアの人懐っこい笑みと声に私たちを見て強張っていた村人の表情が少しだけ緩む。
ただ、それより気になったのは……
(つの? あれ、角だよね? なんで人に角が生えてるの!?)
羊のようなクルンと巻いた角が茶色の髪の間から生えている。というか、髪も羊の毛みたいにふわふわしている。
(人と羊のハーフ? えっと、こういうの何ていうんだっけ? 学生の頃、漫画か何かで読んだような……)
記憶を探るけど思い出せない。
喉の奥で引っかかっているというか、もう少しで思い出せそうな、思い出せないような、曖昧な感じ。
マクティーラの腕の中でうんうんと唸っているとフィアが声をかけた村人とともにやってきた。
「こりゃあ見たことない種族の子やなぁ。ほんに獣人の子か?」
なんとなく訛りのある話し方。
でも、それより私が気になったのは……
「きゅ! きゅ、きゅう! きゅぁぷきゅう!」
(獣人! そう、獣人! なんかの漫画にあった!)
喉に引っかかっていたものが取れたような爽快感。
パタパタと手を動かしていると村人が不審者を見るような目を私に向けた。
「言葉もよう分からんし、獣人やのうて魔獣でねぇか? 魔獣なら、さっさと駆除した方がええで。大きくなったら……」
と、不自然に言葉が切れる。
そして、村人の顔が私の少し上を見たまま固まった。
「きゅ?」
(なに?)
つられるように顔をあげると、射殺さんばかりに目を鋭くして全身から不穏なオーラを放つマクティーラが。
「きゅぁ!?」
(ひゃぁっ!?)
その様相に思わず悲鳴をあげる。
すると、すぐに隣から肘鉄が飛んできた。
「グッ」
イラールの鋭い突きがマクティーラの横腹に入り、小さな呻き声が漏れる。
それから、すぐにイラールが眼鏡の下にある黄色の瞳を穏やかに細くした。
「失礼いたしました。他にこの地区に詳しい方はおられますか? その方からも話を伺いたいのですが」
「あ、あぁ。ほんなら長の家さ行けばええ。あの奥にある一番大きな家だ」
「ありがとうございます」
恐怖で顔を引きつらせている村人に軽く礼を言って三人が歩き出す。
「魔獣と言われたぐらいで、むやみに殺気を放たないでください」
「……」
マクティーラは無言のまま両腕に力を入れた。それは、まるで私を守るようで……
「はぁ、そんなに気に入ったんですか?」
呆れたようなため息。
そこにフィアが割り込む。
「マクティーラ様、実は可愛いものが好きだったりして?」
冗談交じりの声だったが、図星だったらしく、それまで無表情だった顔が一瞬で赤くなった。
だが、すぐにその顔を隠すようにそっぽを向く。
「そ、そんなわけないだろ!」
「なら、ボクにも抱かせてくださいよ」
「それはダメだ」
食い下がるフィアを振り切るようにマクティーラがスタスタを歩いて行く。
(ずっと抱っこしていたら疲れるだろうし、少しくらい……ハッ! もしかして、この愛くるしいアザラシボディに一目で虜に? しかも、同担拒否派? それなら納得かも)
うんうんと頷いていると教えてもらった家に着いた。
レンガ造りで周囲の家より一際大きく、家の奥からは賑やかな子どもの声もする。
立派な木のドアに着いたドアノックを叩くと、後ろに伸びた角に白い顎髭を生やした老人が出てきた。痩せてひょろっとした体格だけど、それより一番の特徴は目の瞳孔が横向き。
その姿に私の脳内に白ヤギさんと黒ヤギさんがお手紙を食べる歌と光景が浮かんだ。
(これは、ヤギ……かな)
そんなことを考えながら様子を見守る。
イラールの説明を聞いた老人が私を不思議そうな目で見ながら首を傾げた。
「長いこと生きてるが、こんな珍妙な種族は見たことねぇべ。少なくとも、この村の子じゃねぇ」
どうやら、この辺りにアザラシはいないらしい。そもそも、アザラシを見るのが初めてという様子で、さっきと同じような怪訝な視線を浴びることに。
(こんなに愛くるしいアザラシボディなのに、珍妙なんて失礼な!)
ペシペシと手を叩いて不満をアピールをするが、長とイラールにスルーされる。
そして、そんな私をマクティーラは目を細めて微笑ましそうに見守っていてらしいけど、この時の私は気が付いていなかった。
その先には人影が。
「きゅぁ?」
(第一村人発見?)
フェアの人懐っこい笑みと声に私たちを見て強張っていた村人の表情が少しだけ緩む。
ただ、それより気になったのは……
(つの? あれ、角だよね? なんで人に角が生えてるの!?)
羊のようなクルンと巻いた角が茶色の髪の間から生えている。というか、髪も羊の毛みたいにふわふわしている。
(人と羊のハーフ? えっと、こういうの何ていうんだっけ? 学生の頃、漫画か何かで読んだような……)
記憶を探るけど思い出せない。
喉の奥で引っかかっているというか、もう少しで思い出せそうな、思い出せないような、曖昧な感じ。
マクティーラの腕の中でうんうんと唸っているとフィアが声をかけた村人とともにやってきた。
「こりゃあ見たことない種族の子やなぁ。ほんに獣人の子か?」
なんとなく訛りのある話し方。
でも、それより私が気になったのは……
「きゅ! きゅ、きゅう! きゅぁぷきゅう!」
(獣人! そう、獣人! なんかの漫画にあった!)
喉に引っかかっていたものが取れたような爽快感。
パタパタと手を動かしていると村人が不審者を見るような目を私に向けた。
「言葉もよう分からんし、獣人やのうて魔獣でねぇか? 魔獣なら、さっさと駆除した方がええで。大きくなったら……」
と、不自然に言葉が切れる。
そして、村人の顔が私の少し上を見たまま固まった。
「きゅ?」
(なに?)
つられるように顔をあげると、射殺さんばかりに目を鋭くして全身から不穏なオーラを放つマクティーラが。
「きゅぁ!?」
(ひゃぁっ!?)
その様相に思わず悲鳴をあげる。
すると、すぐに隣から肘鉄が飛んできた。
「グッ」
イラールの鋭い突きがマクティーラの横腹に入り、小さな呻き声が漏れる。
それから、すぐにイラールが眼鏡の下にある黄色の瞳を穏やかに細くした。
「失礼いたしました。他にこの地区に詳しい方はおられますか? その方からも話を伺いたいのですが」
「あ、あぁ。ほんなら長の家さ行けばええ。あの奥にある一番大きな家だ」
「ありがとうございます」
恐怖で顔を引きつらせている村人に軽く礼を言って三人が歩き出す。
「魔獣と言われたぐらいで、むやみに殺気を放たないでください」
「……」
マクティーラは無言のまま両腕に力を入れた。それは、まるで私を守るようで……
「はぁ、そんなに気に入ったんですか?」
呆れたようなため息。
そこにフィアが割り込む。
「マクティーラ様、実は可愛いものが好きだったりして?」
冗談交じりの声だったが、図星だったらしく、それまで無表情だった顔が一瞬で赤くなった。
だが、すぐにその顔を隠すようにそっぽを向く。
「そ、そんなわけないだろ!」
「なら、ボクにも抱かせてくださいよ」
「それはダメだ」
食い下がるフィアを振り切るようにマクティーラがスタスタを歩いて行く。
(ずっと抱っこしていたら疲れるだろうし、少しくらい……ハッ! もしかして、この愛くるしいアザラシボディに一目で虜に? しかも、同担拒否派? それなら納得かも)
うんうんと頷いていると教えてもらった家に着いた。
レンガ造りで周囲の家より一際大きく、家の奥からは賑やかな子どもの声もする。
立派な木のドアに着いたドアノックを叩くと、後ろに伸びた角に白い顎髭を生やした老人が出てきた。痩せてひょろっとした体格だけど、それより一番の特徴は目の瞳孔が横向き。
その姿に私の脳内に白ヤギさんと黒ヤギさんがお手紙を食べる歌と光景が浮かんだ。
(これは、ヤギ……かな)
そんなことを考えながら様子を見守る。
イラールの説明を聞いた老人が私を不思議そうな目で見ながら首を傾げた。
「長いこと生きてるが、こんな珍妙な種族は見たことねぇべ。少なくとも、この村の子じゃねぇ」
どうやら、この辺りにアザラシはいないらしい。そもそも、アザラシを見るのが初めてという様子で、さっきと同じような怪訝な視線を浴びることに。
(こんなに愛くるしいアザラシボディなのに、珍妙なんて失礼な!)
ペシペシと手を叩いて不満をアピールをするが、長とイラールにスルーされる。
そして、そんな私をマクティーラは目を細めて微笑ましそうに見守っていてらしいけど、この時の私は気が付いていなかった。
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