漫画家へGO プロ漫画家インタビュー

No. 1物語の中の人
黒百合姫先生

わたしの履歴書

第3回 「物語の中の人」はこうして生まれる!!

「物語の中の人」にはこんなテクニックが隠されていた!! 【ネーム編】

担当

ここからは実際の原稿をネーム・下絵・完成原稿・公開原稿の各工程で追いかけながら、お2人にお話をお聞きしたいと思います! 早速ですが、今回ピックアップさせていただいたのはこのページです!

8月30日公開の「物語の中の人」16話のワンシーン
マナカ

先月公開した16話の一場面ですね。

担当

そうです。「物語の中の人」をお読みいただいている読者の方はおわかりかと思いますが、対極の容姿・性格をしているフェイールとマリィが見開きで登場するシーンなんですよね。まずは全ての基本であるネームを拝見したいと思います!


原稿の設計図となる重要なネーム! この段階で必要な「コマ割り・セリフ・キャラ配置」が非常にわかりやすく描かれています!
担当

まずはコマ割りについてお話をお聞かせください! 右ページはぶち抜きを使用して、セリフが窮屈にならないようにレイアウトされていますね。そのあとに表情が変化した顔のアップを入れることによって、自己紹介の時間の流れがすっと入ってくる構成になっているかと思います。ニコッと微笑む表情のアップで、上手くテンポが出ていて一気にしゃべっている印象は皆無です。

マナカ

あんまり深く考えず、本能の赴くままにコマ割りをレイアウトしているのでどう語ったらいいか難しいんですけど、あまり単調にならないようにと気を付けています。ページ内のコマ全部がバストアップになったり、同じ大きさの顔がたくさん並んだりしないようにメリハリを意識していますね。

担当

よく新人の漫画家さんが陥りやすいのは、キャラを描こうと意識しすぎてコマの中が人物だらけになっちゃう点ですよね。結果、似たようなコマが連続しちゃう、と。……キャラを目立たせることが悪いわけではないのですが。

マナカ

この回は自己紹介が続くので、顔を描きたいところだったのですが、そこも顔ばっかりだと画面がうるさくなりそうなんでコマぶち抜きを入れたり、トーンだけのコマを入れたり、手だけのコマを入れて「ヌキ」意識しています。

担当

「ヌキ」、非常に大切な要素ですね。読者が読み疲れないよう、適度に情報量の少ないコマを挟むのは重要です。右ページのフェイール、一連の流れが可愛くて、完成原稿でも可愛らしく描かれることが容易に想像できます!

マナカ

キャラが可愛いのはひとえに原作の力だと思います!

担当

お2人の作画が素晴らしいのも多分に影響していると思いますよ! メリハリと似たような話になりますが、ストーリーも読者が読みやすいリズムが維持されている画面作りに感じます。

マナカ

テンポは意識していますね。原作のセリフひとつひとつを拾ってコマを作っていくといくらコマがあっても足りないですから(笑)。連続したセリフのところは1つのコマに、見せ場は大きくコマを使う……といった感じです。ばっさりセリフを端折ってるシーンや、そもそもシーンをカットしてある部分も多いので、原作と見比べて頂けると私流のコミカライズの癖が見抜けちゃうんじゃないかなと思います。

担当

なるほど。マナカさんのネームを拝見していると、コマ内のセリフがイラストをまたぐことがあまりないなぁ、と感じます。基本的に話者の近くにちゃんとフキダシがレイアウトされている、という感じですかね。

マナカ

セリフの順番とキャラの立ち位置をあまり離したくないんです。次のページで前のページと喋る順番が違う場合は、カメラアングルを後方からや俯瞰にして、フキダシの位置をややこしくしないようにしています。一度視点をリセットして整理し直すイメージですかね。

担当

「物語の中の人」は登場するキャラがかなり多いのですが、コマの中で「話者は誰だ!?」となることがないのはそういったテクニックのおかげなんですね! ……左ページ最後のコマ、次のページでどうなるのかが非常に気になるような雰囲気が上手く出ています。

マナカ

左ページ最後のコマは「引き」を意識していますね。この後どんなセリフが来るんだろう、どんなコマが来るんだろう、と読者の方に期待を持っていいただけるように描いています。

担当

なるほど。この見開きページだけでも、マナカさんのネームテクニックが詰め込まれています! で、この頂いたネームに編集部で修正を依頼するための赤字を入れたのがこちらです。コマ割りやフキダシ位置等の画面作りで修正をお願いする必要がなく、セリフ部分で気になるところをチェックさせていただいた感じです!

フキダシ内の言い回しや表記の統一部分に赤字が。コマ割りやストーリーの展開自体に赤字が入ることも……。
マナカ

いやー、もう、ネームはラフでラフで(笑)キャラがわかるかわからないかの瀬戸際の絵で(笑)。でも、デジタルでネームをやるようになって楽になりました。

彩帆

マナカオリジナルの創作文字を作っちゃうくらい、字が汚かったからね(笑)

担当

(笑)。それは担当編集も大変ですね。「何か特別な意図があって作字されたのかな…?」なんて思っちゃいそうです。

マナカ

(笑)。ネームがノッてるときは自動筆記状態なんです。思いついた文章を整理せず、そのまま書いている感じですね。頭の中に浮かんだページを忘れないうちに書き写さなきゃいけないので、必然的に字も汚くなっちゃうんですよ(笑)。そんな感じで作業をしているものですから、セリフは勢いで入れてます(笑)

担当

確かに言いたいこと・伝えたいことがストレートに表されたセリフが多い気がしますね(笑)。でも全く意味がわからない……! というレベルではないので、マナカさんの意図や考えを汲み取って、読者の方がよりわかりやすいよう表現を変えるように意識はしています。

マナカ

セリフを理解しやすく直していただけるのはとても助かります。あと、コマ割りの修正があまりないことも本当に助かります。ネームの修正、あんまり好きじゃなくて……(笑)

担当

必要な時はもちろんお願いしていますが、基本的にはコマ割りを直す必要のないわかりやすいネームで助かっています!(笑) 

閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
縮小 拡大
閉じる