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 こうなったら、私がクリスティーヌの悪魔の尻尾をつかむしかない! 私が暴いてやるんだから! はじめからそのつもりだったけど、こうも大胆に出てくるとは思わないじゃない。以前よりも過激になってない? 私が死んだ後にあれこれやるんでしょうけど。もしかして、私を処刑した後にやろうとしていたことを、今やってるの? 過去が変わって成長しているのは私だけじゃない。クリスティーヌもね。

 屋敷で朝食をとる。喉を通らない。目の前でクリスティーヌが聖女さま特有の神々しさを醸し出しているように見える。あれは朝日を受けた銀髪が輝いているだけよ。と、自分に言い聞かせる。よくも、平然と食事できるわ。あんたは、私もリュカ王子もミレーさまも操るか、殺すかしたいんでしょ?

 昨日の王宮舞踏会の魔物出現事件は新聞に載っている。『王都侵攻! 王宮襲撃!』もう舞踏会に参加しない貴族も出てくるのではないか、と煽っている。ほかに、『貴族たちの団結力が試される時』とも。確かに舞踏会では王子との関係の深い貴族が集まる。彼ら勢力が弱まることで王子の軍資金も減るのよね。普通はここで侵略の危機だと立ち上がると思うんだけど、王宮にピンポイントで魔物が出現したことで人々に恐怖を植えつけたことは大きいようね。

 貴族の軍人も今回の件で王子への信用をなくしているかもしれないわ。リュカ王子が心配。って、なんで私、あの人のことを気にしてるのかしら。彼のことなんて今まで気になりもしなかったのに。

 今日の王都は外出禁止令がだされている。朝から何もすることがないなんて。きっと、魔物の出現場所の具体的な特定と侵入経路を調べているんでしょうけど。きっと今頃、下町は人もまばらで閑散としているんでしょうね。

 そうして一週間ほどが過ぎた。まさか、具体的な魔物の出現位置を誰も特定できないとは思わなかった。クリスティーヌが痕跡を消したとか?

 もう、じっとしてられない。騎士ミレーに手紙出す。クリスティーヌの婚約者だからって関係ないわ。町の巡回警備を手伝いたいと約束を取りつけた。
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