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本編
3-4
しおりを挟む「……何じゃ、巽。こんな時に来よってからに」
「つまんねぇこと言うんじゃねぇ。何が大事かはちゃんと分かってる」
「お前らはほんまによぉ似た性格やのう」
「誰が誰に似てるって? 俺をこう育てたのはじじいだろうが」
一を聞いて十を知るというか何というか、話の内容だけ聞くと、意味は分からなくても和やかな印象を持てるのだが……。なんせ空気が重い。
五代目、若、そして件の侠心会の会長である田辺さん。その三名がおられる広間へズカズカと入った組長に一番に声を掛けられたのが、五代目だった。
おそらくこれは考えられないことだと思う。野田組の本家へ来たのは初めてでも、田辺さんに会ったのは初めてではない。とても気さくな方で、そして組長を実の弟のように可愛がっておられる田辺さんが、わざわざ関西に出向いた組長に声を掛けないどころか、一瞥することすら無いとか。……あー、胃が痛い。今すぐにでも帰りたい。
「監視カメラの映像は全員見たのか?」
「当たり前でぃ。腸が煮えくり返りやがらぁ」
「俺にも見させてくれ。あと清次さんさえ良ければ、コピーが欲しい」
「勝手にしやがれ。俺ぁそいつらぶち殺せりゃあそれでいい」
しーんとする室内。自分の呼吸の音が響くような気すらして、満足に息を吸うこともできない。それくらい俺はこの場に相応しくない。
「じじいはこの件、それで済ませていいと思ってんのか?」
「……ふん、侠心会に手ぇ出されるとは舐められたもんや」
「親父! だからこそ俺ぁそいつら見つけ出して殺してやるって言ってんでさぁ! こんな所に閉じ込めてねぇでさっさと行かせて下せぇ!」
自分のシマの店に襲撃されたことが恥ずかしくて、それを許した自分自身に、それこそ殺したいほど腹が立って仕方ないのだろう。
だからこそ、自分の手でとっ捕まえて、見せしめにして、今後そんな輩が出ないようにと考えておられる。
舐められたら終わり。田辺さんは少し良い人過ぎる面があるから、そんな自分を悔いておられるのかもしれない。
「清次、勘違いすんな。お前のことじゃねぇよ」
今まで一言も話さなかった若が口を開いた。というか、話を聞いている風ではなかったから、ちょっと驚いた。
「舐められてるっつったのは、じいさん本人と俺のことだ。じいさんみてえな老いぼれと、俺みてえな若造がトップにいるから舐められてんだよ。侠心会を任せんのは、野田組の組長や若頭である俺らが一番信頼してる奴だ。だから、侠心会に手を出されるっつーのはそういうことなんだよ」
「若……。俺ぁ、野田組に泥塗ってしまいやした。俺に任せて下さった侠心会のメンツもボロボロでさぁ。どうお詫びすりゃあいいのか……お二人に顔見せんのでさえ恥ずかしくてたまんねぇんでさ……。いっそ腹掻っ捌いて死んでやりてぇ」
苦しい表情の田辺さん。怒りや後悔、羞恥による涙を必死に堪える姿に、五代目や若は何も言えない様子。
「何言ってんだ。清次さんに死なれたら、それこそ野田組は終わりだ」
慰めのための言葉ではない。極々当たり前のことのように、特に感情の込もってない組長の声は少しだけ空気を軽くした。
「清次さんには何とかもう一回結婚してもらって、子供作って貰わねぇとな。狼が六代目を継いだら清次さんの息子を野田組の若頭にするって俺らは思ってんだから」
「馬鹿野郎、そんな馬鹿な話があってたまるかってんだ」
涙の代わりに、田辺さんの顔には自嘲的な笑みが浮かんだ。心底『馬鹿な話』だと思っているような表情。
そして、田辺さんの左手の薬指にはシルバーの指輪があるのに、もう一回結婚ということは、死別でもされたのだろうか。
奥さんを失ってもなお指輪をし続ける田辺さんが再婚することと、田辺さんのご子息を若頭に据えること。どっちを指して『馬鹿な話』って仰ったのか。おそらくは若頭の方だと思うが、何となく再婚も田辺さんの頭には無さそうな気がする。
「馬鹿な話じゃねぇよ。本当にそう考えてる。俺が六代目を継いだら、若頭はお前の息子にする。だから自分の命を軽く扱うな。粗末にしたら俺が許さねぇぞ」
一度は止まった涙が、今度は流れ落ちた。それを隠すように、田辺さんは顔を下に向けた。
「……若に説教されちまうとは、ハハ、笑っちまって涙まで出てきやがらぁ。手の付けられねぇ悪ガキが、とうとう追い越して行きやがったぜぃ」
「いつまでもお前に守られてる俺じゃねぇんだよ」
こっちまで泣かされそうになるくらいの空気を読んでか読まずか、組長はまた口を開いた。
「それはそれとして、そろそろうちの奴を紹介していいか?」
「おー、見たことない顔を連れて来たとは思っとったんや」
今? このタイミングで? やめてくれ。俺は今完全に空気と化してたところだったんだよ。しかも五代目も切り替え早いな!
「こいつはうちの若頭補佐に就かせている男で、かざ……」
「おいタロてめー、また俺のヅラ隠しやがったな!」
俺の紹介をしてくれる組長の声を遮って、スパーン! と勢い良く入って来たのは……というかこんな振る舞いができる人間なんか、鈴音さんしかいないのだが。
「何回言やぁ分かんだよ、このバカ犬! 仕事で使うんだっつってんだろ」
若に向かって『バカ犬』とか! やばいやばいとは思ってたけど、この人まじでやばいな!
「だ、だって! 鈴音あのカツラ被って、女の格好して、あいつのとこ行くんでしょ? 俺、嫌なんだもん!」
『だって』? 『もん』?
何だ……今、俺の目の前で何が起こってるんだ……?
「だからそれが仕事だって言ってんだよ。金持ちパーティーにパートナーとして同行するだけ。そうちゃんと説明しただろ。っつーか、お前に説明する必要すらねーの分かってるか?」
「そんなの鈴音じゃなくてもいーじゃん!」
「そういう契約なんだよ。それでいくら金くれると思ってんだ。さっさとヅラ返せ。打ち合わせに遅れる」
「……やだ」
「じゃあ新しいの買うだけだ。あとお前とはもう口聞かねー」
「やだ!」
ワガママな子供みたいに半泣きで駄々をこねる若を見て、田辺さんが『若……』と小さい声で言った。ほんのちょっと前に追い越されてしまったと感涙までしていたのに、この落差。
「じゃあどーすんだ?」
「……俺の部屋の箪笥の抽斗……二段目」
「タロ。もー、拗ねんなよ。終わったら会いに来るから。お前といる時間が誰よりも一番長いってちゃんと分かってんだろ?」
「……うん」
「あーもー、ちょっと来い」
そう言って、鈴音さんは若を連れて出て行った。何だ今の……。今のが本当に、若か? 声色までさっきまでの若とは全然違うじゃねぇか。
「……若頭補佐の、風見だ。近い内こいつに組を持たせようと思っている」
え。話継続? 俺なんぞどうでもいいから今さっきの二人が何か紹介して欲しいくらいなんだが。
「風見、今のは忘れろ。狼がああなるのは鈴音の前だけだから、基本はお前の知る男で間違いない。だから、見なかったことにしろ」
「わ……分かり、ました」
俺の中の若への思いだとかイメージがガラガラ音を立てて崩れた。あとほんのちょっとだけ本家にいる緊張も解れた。
そして、関西では多くの構成員が襲撃犯を探したけれど、成果が上がらないまま数日が過ぎた。
「つまんねぇこと言うんじゃねぇ。何が大事かはちゃんと分かってる」
「お前らはほんまによぉ似た性格やのう」
「誰が誰に似てるって? 俺をこう育てたのはじじいだろうが」
一を聞いて十を知るというか何というか、話の内容だけ聞くと、意味は分からなくても和やかな印象を持てるのだが……。なんせ空気が重い。
五代目、若、そして件の侠心会の会長である田辺さん。その三名がおられる広間へズカズカと入った組長に一番に声を掛けられたのが、五代目だった。
おそらくこれは考えられないことだと思う。野田組の本家へ来たのは初めてでも、田辺さんに会ったのは初めてではない。とても気さくな方で、そして組長を実の弟のように可愛がっておられる田辺さんが、わざわざ関西に出向いた組長に声を掛けないどころか、一瞥することすら無いとか。……あー、胃が痛い。今すぐにでも帰りたい。
「監視カメラの映像は全員見たのか?」
「当たり前でぃ。腸が煮えくり返りやがらぁ」
「俺にも見させてくれ。あと清次さんさえ良ければ、コピーが欲しい」
「勝手にしやがれ。俺ぁそいつらぶち殺せりゃあそれでいい」
しーんとする室内。自分の呼吸の音が響くような気すらして、満足に息を吸うこともできない。それくらい俺はこの場に相応しくない。
「じじいはこの件、それで済ませていいと思ってんのか?」
「……ふん、侠心会に手ぇ出されるとは舐められたもんや」
「親父! だからこそ俺ぁそいつら見つけ出して殺してやるって言ってんでさぁ! こんな所に閉じ込めてねぇでさっさと行かせて下せぇ!」
自分のシマの店に襲撃されたことが恥ずかしくて、それを許した自分自身に、それこそ殺したいほど腹が立って仕方ないのだろう。
だからこそ、自分の手でとっ捕まえて、見せしめにして、今後そんな輩が出ないようにと考えておられる。
舐められたら終わり。田辺さんは少し良い人過ぎる面があるから、そんな自分を悔いておられるのかもしれない。
「清次、勘違いすんな。お前のことじゃねぇよ」
今まで一言も話さなかった若が口を開いた。というか、話を聞いている風ではなかったから、ちょっと驚いた。
「舐められてるっつったのは、じいさん本人と俺のことだ。じいさんみてえな老いぼれと、俺みてえな若造がトップにいるから舐められてんだよ。侠心会を任せんのは、野田組の組長や若頭である俺らが一番信頼してる奴だ。だから、侠心会に手を出されるっつーのはそういうことなんだよ」
「若……。俺ぁ、野田組に泥塗ってしまいやした。俺に任せて下さった侠心会のメンツもボロボロでさぁ。どうお詫びすりゃあいいのか……お二人に顔見せんのでさえ恥ずかしくてたまんねぇんでさ……。いっそ腹掻っ捌いて死んでやりてぇ」
苦しい表情の田辺さん。怒りや後悔、羞恥による涙を必死に堪える姿に、五代目や若は何も言えない様子。
「何言ってんだ。清次さんに死なれたら、それこそ野田組は終わりだ」
慰めのための言葉ではない。極々当たり前のことのように、特に感情の込もってない組長の声は少しだけ空気を軽くした。
「清次さんには何とかもう一回結婚してもらって、子供作って貰わねぇとな。狼が六代目を継いだら清次さんの息子を野田組の若頭にするって俺らは思ってんだから」
「馬鹿野郎、そんな馬鹿な話があってたまるかってんだ」
涙の代わりに、田辺さんの顔には自嘲的な笑みが浮かんだ。心底『馬鹿な話』だと思っているような表情。
そして、田辺さんの左手の薬指にはシルバーの指輪があるのに、もう一回結婚ということは、死別でもされたのだろうか。
奥さんを失ってもなお指輪をし続ける田辺さんが再婚することと、田辺さんのご子息を若頭に据えること。どっちを指して『馬鹿な話』って仰ったのか。おそらくは若頭の方だと思うが、何となく再婚も田辺さんの頭には無さそうな気がする。
「馬鹿な話じゃねぇよ。本当にそう考えてる。俺が六代目を継いだら、若頭はお前の息子にする。だから自分の命を軽く扱うな。粗末にしたら俺が許さねぇぞ」
一度は止まった涙が、今度は流れ落ちた。それを隠すように、田辺さんは顔を下に向けた。
「……若に説教されちまうとは、ハハ、笑っちまって涙まで出てきやがらぁ。手の付けられねぇ悪ガキが、とうとう追い越して行きやがったぜぃ」
「いつまでもお前に守られてる俺じゃねぇんだよ」
こっちまで泣かされそうになるくらいの空気を読んでか読まずか、組長はまた口を開いた。
「それはそれとして、そろそろうちの奴を紹介していいか?」
「おー、見たことない顔を連れて来たとは思っとったんや」
今? このタイミングで? やめてくれ。俺は今完全に空気と化してたところだったんだよ。しかも五代目も切り替え早いな!
「こいつはうちの若頭補佐に就かせている男で、かざ……」
「おいタロてめー、また俺のヅラ隠しやがったな!」
俺の紹介をしてくれる組長の声を遮って、スパーン! と勢い良く入って来たのは……というかこんな振る舞いができる人間なんか、鈴音さんしかいないのだが。
「何回言やぁ分かんだよ、このバカ犬! 仕事で使うんだっつってんだろ」
若に向かって『バカ犬』とか! やばいやばいとは思ってたけど、この人まじでやばいな!
「だ、だって! 鈴音あのカツラ被って、女の格好して、あいつのとこ行くんでしょ? 俺、嫌なんだもん!」
『だって』? 『もん』?
何だ……今、俺の目の前で何が起こってるんだ……?
「だからそれが仕事だって言ってんだよ。金持ちパーティーにパートナーとして同行するだけ。そうちゃんと説明しただろ。っつーか、お前に説明する必要すらねーの分かってるか?」
「そんなの鈴音じゃなくてもいーじゃん!」
「そういう契約なんだよ。それでいくら金くれると思ってんだ。さっさとヅラ返せ。打ち合わせに遅れる」
「……やだ」
「じゃあ新しいの買うだけだ。あとお前とはもう口聞かねー」
「やだ!」
ワガママな子供みたいに半泣きで駄々をこねる若を見て、田辺さんが『若……』と小さい声で言った。ほんのちょっと前に追い越されてしまったと感涙までしていたのに、この落差。
「じゃあどーすんだ?」
「……俺の部屋の箪笥の抽斗……二段目」
「タロ。もー、拗ねんなよ。終わったら会いに来るから。お前といる時間が誰よりも一番長いってちゃんと分かってんだろ?」
「……うん」
「あーもー、ちょっと来い」
そう言って、鈴音さんは若を連れて出て行った。何だ今の……。今のが本当に、若か? 声色までさっきまでの若とは全然違うじゃねぇか。
「……若頭補佐の、風見だ。近い内こいつに組を持たせようと思っている」
え。話継続? 俺なんぞどうでもいいから今さっきの二人が何か紹介して欲しいくらいなんだが。
「風見、今のは忘れろ。狼がああなるのは鈴音の前だけだから、基本はお前の知る男で間違いない。だから、見なかったことにしろ」
「わ……分かり、ました」
俺の中の若への思いだとかイメージがガラガラ音を立てて崩れた。あとほんのちょっとだけ本家にいる緊張も解れた。
そして、関西では多くの構成員が襲撃犯を探したけれど、成果が上がらないまま数日が過ぎた。
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