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第3章 使用人とメイドさんと天才魔法士令嬢(前編)
24. メイドさんと御者台
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24. メイドさんと御者台
私はカイル君と一緒に隣町のルスタミラの港にエルナリア様を迎えに馬車で向かうことになった。とりあえず色々準備しないとね。
私は先輩の使用人や先輩のメイドさんにエルナリア様をお迎えに行く時の注意点などを聞いて、すぐに出立の準備を整えた。途中でどこかに寄ったりした時にエルナリア様に失礼がないようにと、好みの食べ物や飲み物を聞いたりもしたのでメモしておく。
あとは自分の準備。一応女の子だし、カイル君は男の子だしね。鏡の前で髪をいじってみるけれど、あんまり自信はないかなぁ……。まぁいいや。
私はそのまま馬車小屋に向かう。そこにはなぜかブライアンとにらめっこしているカイル君がいた。馬相手に笑いは取れないと思うけど……
「カイル君お待たせ」
「あっマリアさん」
「よろしくねブライアン。よしよしいいこだね」
「ブルルル!」
ブライアンは私の胸に顔をスリスリしてくる。少しくすぐったい。私が横目でカイル君を見ると、なんか怒ってるような顔してるんだけどどうしたんだろう?……でもそんな顔をしながら私の胸をガン見してるのはいつものことだよね。
「それじゃあ出発しようか?」
「はい……」
カイル君が先に御者台に座る。そのまま私も乗り込むことにする。馬車を引くのは今まで数えるくらいしかないから楽しみ!
「よいしょっと。カイル君もう少しそっちに行ってほしいかな?」
「あっすみません。って!?マリアさん!?」
「ん?どうしたのかな?」
「あの……どうしてここに座ったんですか?」
そりゃ馬車を引くためだよカイル君。そのために私もエルナリア様を迎えにいくんだから。
「え?だってカイル君。ブライアンをうまく引けないでしょ?」
「そうですけど、その……まだ肌寒いですし……」
そのために準備してきたんだけど?あれ?もしかしてカイル君は私が一緒に行くの嫌なのかな?
「コートを羽織ってるから大丈夫だよ。それに隣にはカイル君もいるし。暖かいよ」
そう言うとカイル君は黙ってしまった。なんか私またマウントを取っちゃったかな?すると、私の左側にいるカイル君側が段々暖かくなってくる。あれ?カイル君体調悪いのかな?体温上がってる?熱かな?もしこのままフラついて馬車から落ちたら大変!
「じゃあ出発するね?揺れたら私の身体にしがみついてもいいからね」
「えっ!?しがっ!?」
私は手綱を握りしめ、馬を歩かせる。横にいるカイル君は『死ぬかもしれない』とか小声で言っていた。失礼な。そんなことするわけないじゃない。まったく。
私はカイル君と一緒に隣町のルスタミラの港にエルナリア様を迎えに馬車で向かうことになった。とりあえず色々準備しないとね。
私は先輩の使用人や先輩のメイドさんにエルナリア様をお迎えに行く時の注意点などを聞いて、すぐに出立の準備を整えた。途中でどこかに寄ったりした時にエルナリア様に失礼がないようにと、好みの食べ物や飲み物を聞いたりもしたのでメモしておく。
あとは自分の準備。一応女の子だし、カイル君は男の子だしね。鏡の前で髪をいじってみるけれど、あんまり自信はないかなぁ……。まぁいいや。
私はそのまま馬車小屋に向かう。そこにはなぜかブライアンとにらめっこしているカイル君がいた。馬相手に笑いは取れないと思うけど……
「カイル君お待たせ」
「あっマリアさん」
「よろしくねブライアン。よしよしいいこだね」
「ブルルル!」
ブライアンは私の胸に顔をスリスリしてくる。少しくすぐったい。私が横目でカイル君を見ると、なんか怒ってるような顔してるんだけどどうしたんだろう?……でもそんな顔をしながら私の胸をガン見してるのはいつものことだよね。
「それじゃあ出発しようか?」
「はい……」
カイル君が先に御者台に座る。そのまま私も乗り込むことにする。馬車を引くのは今まで数えるくらいしかないから楽しみ!
「よいしょっと。カイル君もう少しそっちに行ってほしいかな?」
「あっすみません。って!?マリアさん!?」
「ん?どうしたのかな?」
「あの……どうしてここに座ったんですか?」
そりゃ馬車を引くためだよカイル君。そのために私もエルナリア様を迎えにいくんだから。
「え?だってカイル君。ブライアンをうまく引けないでしょ?」
「そうですけど、その……まだ肌寒いですし……」
そのために準備してきたんだけど?あれ?もしかしてカイル君は私が一緒に行くの嫌なのかな?
「コートを羽織ってるから大丈夫だよ。それに隣にはカイル君もいるし。暖かいよ」
そう言うとカイル君は黙ってしまった。なんか私またマウントを取っちゃったかな?すると、私の左側にいるカイル君側が段々暖かくなってくる。あれ?カイル君体調悪いのかな?体温上がってる?熱かな?もしこのままフラついて馬車から落ちたら大変!
「じゃあ出発するね?揺れたら私の身体にしがみついてもいいからね」
「えっ!?しがっ!?」
私は手綱を握りしめ、馬を歩かせる。横にいるカイル君は『死ぬかもしれない』とか小声で言っていた。失礼な。そんなことするわけないじゃない。まったく。
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