上 下
3 / 5

お父さんへの片道書簡

しおりを挟む
40年前に行方知れずになったお父さんへの手紙。

そのデバイスをいくらか用意して、片時も忘れず、父を想う子心。。

「お父さんはいつも手紙を書いてくれた。
それを読むのが楽しみだった。
それがあの別れの後、途絶えた。
お父さんには、もう孫まで出来たよ。
それを唯一知らせるこの、お父さんへの片道書簡なんだ。
縁が薄いというとそこまでで終わってしまう。
お父さんはあの日僕と別れた。
それが僕を護る為だとも知っていた。
僕が20代になって、僕はお父さんとお母さんを護るべく仏門に入った。
だからもう苦しまなくて大丈夫。
いつか、今度はみんな揃って家族で居たいよね。」


山本一義より
しおりを挟む

処理中です...