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ゲームの魔女は
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「魔女さん?亅
目を丸くしてご令嬢を見つめていたようだ。
「あ、あ、あの私は亅
「ノームの森の魔女さんと呼んでもでいいんでしょうか? それともお名前を教えていただけたら亅
そのあと、自分はミーガンという名前で魔女なんかではないんです、といったかどうかよく覚えていない。
呆然してる私にレラは「また来ますね」なんていってにっこり。メイベルが先にドアをあけ、外で待つ騎士を呼んだ。
私は思わずレラの後ろについていくメイベルの腕をつかんでた。
「レラお嬢様のいうあの人は王太子様ですか?亅
と聞いた。
「言いましたっけ?亅
あいまいな笑みを浮かべてこくこくうなづく私にメイベルさんは、
「今は王太子様ではないですが、次期王太子は間違いないんです。フェルプス公爵家のデヴィッド様です。お嬢様とご結婚のお話が出てるんですけど、田舎出の小娘に誘惑されて、もうっ本当に悔しくて。呪いができるならこっそり頼みたいぐらいですよ!亅
きりきりと歯ぎしりしそうな勢いで言ったメイベルは小声で「フェルプス家の皆様もどうかしてるんだわ」とつぶやいた。
お付きの騎士がドアから顔をのぞかせ、まだかとメイドさんを急かし、ご一行は帰っていった。
あたりまでは覚えている。
そのあと、椅子に座り込み、心配したクロがテーブルに乗ってニャーニャー言うまで考え込んでいた。
まさかレラ侯爵令嬢って、あの侯爵令嬢なのでは。それに私の噂、ノームの森の魔女だなんて。
これはあれじゃないの?
虹のゲート~3人の王子様~
「虹のゲート」、通称「虹ゲー」は主人公のフェリシアが3人の王子と出会い、最終的には1人の王子と結ばれる。乙女ゲームのひとつで内容もありきたりといえばありきたりだが、王子のスチルも声もよくてそこそこの人気作となった。
そこからノベル化やマンガ化までされたからけっこう人気があったんだろう。かくいう私も小説からはいり、漫画も読み、ゲームにも手を伸ばし始めていたのよね。
主人公のフェリシアは平民上がりだが、もともとは貴族の血が流れている。母親が子爵令嬢で馬の世話係である父親と恋に落ち駆け落ちしたのだ。
父親はフェリシアが小さなときに亡くなって、母親と2人、たくましく暮らしていたが、無理がたたったのか母親が病気になり、亡くなってしまう。そこに母親の弟、叔父と名乗る人物がフェリシアの前に現れる。子供のいない叔父夫妻に引き取られる。叔父は伯爵に爵位が上がっており、フェリシアは伯爵令嬢として暮らすことに。
王子との出会いはいろいろあって。
フェリシアがまだ庶民の時にけがをしていた王子のひとりを助ける。
街では強盗にあいそうになっていたもうひとりの王子を助け、貴族になってから勉強で訪れていた王室の図書館でもうひとりと出会う。
どの王子も親戚関係にあったんじゃなかったかな。ケガしていたところを助けた王子が時期王様、王位継承権第一位の王子だった。
そして3人ともフェリシアに惹かれ。
王子以外にも騎士団の団長やら街で暮らす幼馴染みに大きな商家の息子やら何人かのお相手候補がいて、誰と一緒になるかでラストがかわっていく。
さあて、誰と結ばれるのかな? って内容だった。
その中で、レラは侯爵令嬢、王太子妃候補の筆頭にいるお嬢様だ。いきなり現れた恋敵フェリシアを憎く思うのは当たり前で。いろいろな妨害工作をしてくる。いわゆる悪役令嬢の立場だ。
そして、そのレラと結託して主人公フェリシアの邪魔をするのが、ノームの森にすむ魔女。
つまり私ってこと、よね?
レラは魔女の作る薬でフェリシアを亡き者にしようとたくらむが、フェリシアと王子にばれてしまい、レラは修道院に、そして魔女は。
死刑。
の一文で処理されていたような。
「最悪だ」
頭を抱える私にクロが心配げに「にゃあ」と鳴いた。
目を丸くしてご令嬢を見つめていたようだ。
「あ、あ、あの私は亅
「ノームの森の魔女さんと呼んでもでいいんでしょうか? それともお名前を教えていただけたら亅
そのあと、自分はミーガンという名前で魔女なんかではないんです、といったかどうかよく覚えていない。
呆然してる私にレラは「また来ますね」なんていってにっこり。メイベルが先にドアをあけ、外で待つ騎士を呼んだ。
私は思わずレラの後ろについていくメイベルの腕をつかんでた。
「レラお嬢様のいうあの人は王太子様ですか?亅
と聞いた。
「言いましたっけ?亅
あいまいな笑みを浮かべてこくこくうなづく私にメイベルさんは、
「今は王太子様ではないですが、次期王太子は間違いないんです。フェルプス公爵家のデヴィッド様です。お嬢様とご結婚のお話が出てるんですけど、田舎出の小娘に誘惑されて、もうっ本当に悔しくて。呪いができるならこっそり頼みたいぐらいですよ!亅
きりきりと歯ぎしりしそうな勢いで言ったメイベルは小声で「フェルプス家の皆様もどうかしてるんだわ」とつぶやいた。
お付きの騎士がドアから顔をのぞかせ、まだかとメイドさんを急かし、ご一行は帰っていった。
あたりまでは覚えている。
そのあと、椅子に座り込み、心配したクロがテーブルに乗ってニャーニャー言うまで考え込んでいた。
まさかレラ侯爵令嬢って、あの侯爵令嬢なのでは。それに私の噂、ノームの森の魔女だなんて。
これはあれじゃないの?
虹のゲート~3人の王子様~
「虹のゲート」、通称「虹ゲー」は主人公のフェリシアが3人の王子と出会い、最終的には1人の王子と結ばれる。乙女ゲームのひとつで内容もありきたりといえばありきたりだが、王子のスチルも声もよくてそこそこの人気作となった。
そこからノベル化やマンガ化までされたからけっこう人気があったんだろう。かくいう私も小説からはいり、漫画も読み、ゲームにも手を伸ばし始めていたのよね。
主人公のフェリシアは平民上がりだが、もともとは貴族の血が流れている。母親が子爵令嬢で馬の世話係である父親と恋に落ち駆け落ちしたのだ。
父親はフェリシアが小さなときに亡くなって、母親と2人、たくましく暮らしていたが、無理がたたったのか母親が病気になり、亡くなってしまう。そこに母親の弟、叔父と名乗る人物がフェリシアの前に現れる。子供のいない叔父夫妻に引き取られる。叔父は伯爵に爵位が上がっており、フェリシアは伯爵令嬢として暮らすことに。
王子との出会いはいろいろあって。
フェリシアがまだ庶民の時にけがをしていた王子のひとりを助ける。
街では強盗にあいそうになっていたもうひとりの王子を助け、貴族になってから勉強で訪れていた王室の図書館でもうひとりと出会う。
どの王子も親戚関係にあったんじゃなかったかな。ケガしていたところを助けた王子が時期王様、王位継承権第一位の王子だった。
そして3人ともフェリシアに惹かれ。
王子以外にも騎士団の団長やら街で暮らす幼馴染みに大きな商家の息子やら何人かのお相手候補がいて、誰と一緒になるかでラストがかわっていく。
さあて、誰と結ばれるのかな? って内容だった。
その中で、レラは侯爵令嬢、王太子妃候補の筆頭にいるお嬢様だ。いきなり現れた恋敵フェリシアを憎く思うのは当たり前で。いろいろな妨害工作をしてくる。いわゆる悪役令嬢の立場だ。
そして、そのレラと結託して主人公フェリシアの邪魔をするのが、ノームの森にすむ魔女。
つまり私ってこと、よね?
レラは魔女の作る薬でフェリシアを亡き者にしようとたくらむが、フェリシアと王子にばれてしまい、レラは修道院に、そして魔女は。
死刑。
の一文で処理されていたような。
「最悪だ」
頭を抱える私にクロが心配げに「にゃあ」と鳴いた。
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