62 / 395
059
しおりを挟む まずは拠点の手前にスペースを作り、細長い入れ物を作り水を入れる。
「馬はこちらに」
次に拠点の入り口を塞いでる壁を除き、中に浄化魔法を施す。
「中へどうぞ」
最初に入って来たのは護衛の人(男)だ。
要人警護って奴なんだろうな。
立ち居振る舞いを見るだけでも相当できる感じだ。
うっかり殺気を出しでもしたらバッサリ斬られそうだ。
「これがそなたが見せたかったものですか?」
姫様が入って来て少しガッカリしてる様子だ。
まぁここだけだと単に土壁で囲ったスペースでしかない。
「お見せしたいのはこちらにあります」
奥の階段へと促す。
まずは護衛の人が先行して姫様達も上がっていく。
「こ、これは……」
「ほぉ……」
森と街並みの違いこそあるだろうけど、王城から眺める景色も絶景だろうからあまり感動しないのではないかと心配だったけどまずまずの反応で安心した。
景色を眺めている内にテーブルと椅子を作る。
「どうぞ、こちらにお座りください」
少し離れたところにもテーブルと椅子を作り、そこでまずはプリンの準備をしてマイナさんに告げる。
マイナさんに呼ばれたメイドさんが毒見をして姫様のテーブルに持って行く。
「拙い手作りで恐縮なのですが……」
景色効果で味もプラス補正されないだろうか。
「左のモノが甘さ控えめとなっております」
金髪ねーちゃんは見るからに美味しそうに食べている。
子爵と言ってもそこまで庶民と食べ物事情に差がないのか、それとも騎士団長という役職上意図的に兵士と同じ食事をするようにしてるのか。
問題なのは姫様の方なのだが……
「中々に不思議な食感ですね。何という菓子なのですか?」
「プリンと呼んでおります」
やはり甘味には慣れてる感じか。
食感が好感触らしいがお義理で言ってるのかどうかがよく分からんな。
どの道次のアイスクリームが最後の手札だ。
再び隣のテーブルで用意してメイドさんが毒見をする……うん、明らかに毒見という範囲を逸脱して食べているが見なかったことにして姫様と金髪ねーちゃんにお出しする。
「あら」
「つ、冷たい」
今度は高評価みたいだ。
苦労して作った……まぁ言うほど苦労してないが、作った甲斐はあったな。
「ツトム」
「は!」
「本日は楽しませてもらいました。礼を言います」
「恐縮です」
「あとはマイナと話してください。では」
姫様一行が騎乗して拠点を出発する。
再び土壁で拠点の入り口を塞ぎ、一行の最後尾を歩く。
「ツトム殿」
マイナさんが最後尾まで来て話しかけてきた。
「姫様が先程のお菓子のレシピを所望したいとの仰せです」
「わかりました」
相当気に入ったのだろうな。
「それと姫様が懇意にされてる商会で商品化してはどうかとも仰っていました」
「自分は商売のことはよくわからないのですが……」
「商売に関しては全て商会に任せれば大丈夫ですよ。ノーグル商会という王都でも指折りの商会なのですが、ここバルーカにも店を出しておりますのでこの後行きましょう」
自分が開発した訳でもないのに商売にしてしまっていいのだろうか?
割り切るしかないかなぁ。
この世界に伝えた手間賃ぐらいに考えておくか。
それよりも問題なのは、商売として成立するのかってとこだな。
バカ高い砂糖をたくさん使用してるだけにかなりの高額商品になってしまうだろう。
大量生産するならコストを抑えられるが、それを阻むのが製造や保存に氷が必要な点だ。
適性者の少ない氷結魔法の使い手を多数確保するのは無理だ。
値段が高いままなら貴族や商人といった富裕層向けの限定販売になりそうだ。
森を抜け城に入ったところで姫様一行とは別れ、マイナさんにノーグル商会のバルーカ店に案内された。
場所は城の各門を十字に繋ぐ大通りを左折して少しのところにあった。
商業ギルドから近いその店は、店という割には商品がロクに置いてない。
後で聞いた話によると、ノーグル商会はバルーカにも多くの店舗を経営しており支店は事務所としての機能しかないらしい。
扱っている商品は多岐に渡り、食品・衣服・雑貨・武具・馬・家畜と様々だ。
そこで支店長(正確にはノーグル商会バルーカ領統括区域長)を紹介されたがマイナさんはレシピを教えたら即帰ってしまった。
仲介料とか上納金とかそういうのはいいのだろうか?
支店長に聞いてみたら、
「王家の方に金銭を渡してしまうと賄賂が横行する温床となってしまうので、後日献上品という形で気持ちを表すのです」
また面倒なやり方だな。
姫様への献上品ということであれば相当高価なモノでないとダメだろう。
こりゃあ下手したら足が出るな。
「献上品は何を用意すればいいのでしょう?」
「私共でしたら扱っている商品で賄えてしまいます。高級な衣装などは喜ばれますし、武具や馬なら姫様が軍部との関係を強化するのに役立ちます」
「冒険者の方ですと無難なところで装飾品や絵画などでしょうか。魔道具みたいな珍しいアイテムも喜ばれます」
何を選べば良いのやら。
貴金属で済ますか。いらなければ換金すればいいのだし。
後は元商人のルルカに任せるか……
それがいいか。軍の依頼の間ルルカは王都に滞在するのだし、その時に何か探してもらえばいい。
「では商談に移りましょう」
商談と言っても支店長の提示を了解していくだけだ。
王族の仲介を受けての案件で下手なことはできないだろうし、無数に取り扱っている商品の内のたった1つ2つのことで悪さするとも思えない。
もっとも完全に丸投げするのだから密告でもない限りは何をしようと俺が気付くことはないけど。
結局利益の3割が俺の取り分となり、年2回支払われることになった。
そして税金で5割持って行かれる。
貴族だと税金はかなり低くなるそうだ。
さすが貴族は汚い!
契約を済ませノーグル商会を後にしてこれからどうしようか考える。
今の最大の課題は飛行魔法の習得だ。
南に狩りに行くのもルルカを王都に送るのにも必要な魔法だ。
暇を見つけてはちょくちょく練習しているのだが、未だ習得できていない。
軍を指導した時にコツを教えてもらったのだが、さらに誰かに習うか。
ロイター子爵に頼んでも対応してくれそうだが、借りを作ると後でどんな無茶振りをされるか心配だ。
冒険者に依頼を出してみるか。
指導してもらってもダメだったら諦めてポイントを使うことにしよう。
「馬はこちらに」
次に拠点の入り口を塞いでる壁を除き、中に浄化魔法を施す。
「中へどうぞ」
最初に入って来たのは護衛の人(男)だ。
要人警護って奴なんだろうな。
立ち居振る舞いを見るだけでも相当できる感じだ。
うっかり殺気を出しでもしたらバッサリ斬られそうだ。
「これがそなたが見せたかったものですか?」
姫様が入って来て少しガッカリしてる様子だ。
まぁここだけだと単に土壁で囲ったスペースでしかない。
「お見せしたいのはこちらにあります」
奥の階段へと促す。
まずは護衛の人が先行して姫様達も上がっていく。
「こ、これは……」
「ほぉ……」
森と街並みの違いこそあるだろうけど、王城から眺める景色も絶景だろうからあまり感動しないのではないかと心配だったけどまずまずの反応で安心した。
景色を眺めている内にテーブルと椅子を作る。
「どうぞ、こちらにお座りください」
少し離れたところにもテーブルと椅子を作り、そこでまずはプリンの準備をしてマイナさんに告げる。
マイナさんに呼ばれたメイドさんが毒見をして姫様のテーブルに持って行く。
「拙い手作りで恐縮なのですが……」
景色効果で味もプラス補正されないだろうか。
「左のモノが甘さ控えめとなっております」
金髪ねーちゃんは見るからに美味しそうに食べている。
子爵と言ってもそこまで庶民と食べ物事情に差がないのか、それとも騎士団長という役職上意図的に兵士と同じ食事をするようにしてるのか。
問題なのは姫様の方なのだが……
「中々に不思議な食感ですね。何という菓子なのですか?」
「プリンと呼んでおります」
やはり甘味には慣れてる感じか。
食感が好感触らしいがお義理で言ってるのかどうかがよく分からんな。
どの道次のアイスクリームが最後の手札だ。
再び隣のテーブルで用意してメイドさんが毒見をする……うん、明らかに毒見という範囲を逸脱して食べているが見なかったことにして姫様と金髪ねーちゃんにお出しする。
「あら」
「つ、冷たい」
今度は高評価みたいだ。
苦労して作った……まぁ言うほど苦労してないが、作った甲斐はあったな。
「ツトム」
「は!」
「本日は楽しませてもらいました。礼を言います」
「恐縮です」
「あとはマイナと話してください。では」
姫様一行が騎乗して拠点を出発する。
再び土壁で拠点の入り口を塞ぎ、一行の最後尾を歩く。
「ツトム殿」
マイナさんが最後尾まで来て話しかけてきた。
「姫様が先程のお菓子のレシピを所望したいとの仰せです」
「わかりました」
相当気に入ったのだろうな。
「それと姫様が懇意にされてる商会で商品化してはどうかとも仰っていました」
「自分は商売のことはよくわからないのですが……」
「商売に関しては全て商会に任せれば大丈夫ですよ。ノーグル商会という王都でも指折りの商会なのですが、ここバルーカにも店を出しておりますのでこの後行きましょう」
自分が開発した訳でもないのに商売にしてしまっていいのだろうか?
割り切るしかないかなぁ。
この世界に伝えた手間賃ぐらいに考えておくか。
それよりも問題なのは、商売として成立するのかってとこだな。
バカ高い砂糖をたくさん使用してるだけにかなりの高額商品になってしまうだろう。
大量生産するならコストを抑えられるが、それを阻むのが製造や保存に氷が必要な点だ。
適性者の少ない氷結魔法の使い手を多数確保するのは無理だ。
値段が高いままなら貴族や商人といった富裕層向けの限定販売になりそうだ。
森を抜け城に入ったところで姫様一行とは別れ、マイナさんにノーグル商会のバルーカ店に案内された。
場所は城の各門を十字に繋ぐ大通りを左折して少しのところにあった。
商業ギルドから近いその店は、店という割には商品がロクに置いてない。
後で聞いた話によると、ノーグル商会はバルーカにも多くの店舗を経営しており支店は事務所としての機能しかないらしい。
扱っている商品は多岐に渡り、食品・衣服・雑貨・武具・馬・家畜と様々だ。
そこで支店長(正確にはノーグル商会バルーカ領統括区域長)を紹介されたがマイナさんはレシピを教えたら即帰ってしまった。
仲介料とか上納金とかそういうのはいいのだろうか?
支店長に聞いてみたら、
「王家の方に金銭を渡してしまうと賄賂が横行する温床となってしまうので、後日献上品という形で気持ちを表すのです」
また面倒なやり方だな。
姫様への献上品ということであれば相当高価なモノでないとダメだろう。
こりゃあ下手したら足が出るな。
「献上品は何を用意すればいいのでしょう?」
「私共でしたら扱っている商品で賄えてしまいます。高級な衣装などは喜ばれますし、武具や馬なら姫様が軍部との関係を強化するのに役立ちます」
「冒険者の方ですと無難なところで装飾品や絵画などでしょうか。魔道具みたいな珍しいアイテムも喜ばれます」
何を選べば良いのやら。
貴金属で済ますか。いらなければ換金すればいいのだし。
後は元商人のルルカに任せるか……
それがいいか。軍の依頼の間ルルカは王都に滞在するのだし、その時に何か探してもらえばいい。
「では商談に移りましょう」
商談と言っても支店長の提示を了解していくだけだ。
王族の仲介を受けての案件で下手なことはできないだろうし、無数に取り扱っている商品の内のたった1つ2つのことで悪さするとも思えない。
もっとも完全に丸投げするのだから密告でもない限りは何をしようと俺が気付くことはないけど。
結局利益の3割が俺の取り分となり、年2回支払われることになった。
そして税金で5割持って行かれる。
貴族だと税金はかなり低くなるそうだ。
さすが貴族は汚い!
契約を済ませノーグル商会を後にしてこれからどうしようか考える。
今の最大の課題は飛行魔法の習得だ。
南に狩りに行くのもルルカを王都に送るのにも必要な魔法だ。
暇を見つけてはちょくちょく練習しているのだが、未だ習得できていない。
軍を指導した時にコツを教えてもらったのだが、さらに誰かに習うか。
ロイター子爵に頼んでも対応してくれそうだが、借りを作ると後でどんな無茶振りをされるか心配だ。
冒険者に依頼を出してみるか。
指導してもらってもダメだったら諦めてポイントを使うことにしよう。
44
お気に入りに追加
1,611
あなたにおすすめの小説

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【書籍第3巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。アニスもレムも超カワで、表紙もカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【コミックス第1巻発売中です!】
原作小説よりアニスの活躍多めです!
見どころもいっぱいですので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

二度目の人生 〜無敵の神スキル保持者の転生物語〜
グリゴリ
ファンタジー
45歳のサラリーマン、五十嵐努は取引先の高校で突如として異世界「イグジノス」へと召喚されます。5年の歳月をかけて魔王を倒した彼は、元の世界へ送還されるはずでしたが、目を覚ますと見知らぬ豪邸で10歳の少年の姿になっていました。
努は自分が転生したこの世界が、かつての普通の家庭だった五十嵐家が世界有数の財閥に変貌している、パラレルワールドだと気づきます。さらに驚くべきことに、この世界では10年前から世界各地にダンジョンと呼ばれる魔物の巣窟が出現し、人々の中にスキルと呼ばれる特殊能力に目覚める者が現れ始めていました。
彼の父・剛と母・栄子はAランクの冒険者として名を馳せ、長兄・大和と次兄・誠も優秀なスキル保持者となっています。しかし努だけは「無スキル」とされ、家族の恥として扱われていました。
実はこの現実は偽りでした。努の本当の両親は、六神スキルを所持していた父・剛がバルドゥルという組織に捕らえられ、母・栄子も同じく拉致された後、努たち兄弟の側に送り込まれたのは偽物の両親だったのです。
異世界での経験から、努の中には六つの「神スキル」が眠っていました:
- 【ゼウスの雷霆】(攻撃系)
- 【アテナの盾】(防御系)
- 【アポロンの叡智】(智識系)
- 【ヘラクレスの召喚】(召喚系)
- 【ヘパイストスの創造】(創造系)
- 【クロノスの時空間】(時空間収納系)
剣持先生という武道の師と、本当の兄である大和と誠の助けを借りて、努は徐々に六神スキルを覚醒させていきます。自宅の地下室で発見したプライベートダンジョンでの修行や、各神スキルの守護者との対話を通じて力を強化していきます。
最後のスキル【クロノスの時空間】を覚醒させた際、努は衝撃の事実を知ります。彼の本当の両親は死んだのではなく、時空の狭間に閉じ込められていたのです。そして六神スキルを完全に習得することで、彼らを救出できる可能性があると知ります。
しかし、最後のスキルの覚醒と同時に、バルドゥルの組織も動き出します。偽の両親は本性を現し、努たちを捕らえようとします。窮地に立たされた努は、新たに目覚めた【クロノスの時空間】の力で自宅のプライベートダンジョンへと逃げ帰り、兄たちと剣持先生との再会を誓います。
これからの努の旅は、六神スキルの力を完全にマスターし、本当の両親を救出し、バルドゥルの野望を阻止するという使命を帯びたものとなります。一度は無能と蔑まれた少年の逆襲が始まるのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる