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第1話 パパ活刑事
しおりを挟む「来たか。レイカ。」
「お待たせしました、課長。」
「お前に見てもらいたいホトケさんがいてな。
免許証には木下大五郎、62歳とある。
スーツや靴からすると、そこそこ金や地位がありそうな男だ。
財布にはまだ8万円以上残っている。
証明書や名刺はない。他はこれから調べる。」
レイカは裸でベッドに横たわる男に近付いた。
「課長、これは。」
「そう。嬉しそうに笑っている。妙だろう。」
「確かに。まるで楽園か天国を見たかのように。
まさに至福の表情とはこのこと。」
「俺もいろんな死に顔を見てきたが、こんなのは初めてだ。」
「死因は。」
「多分窒息死だ。それも何か柔らかいもので絞められている。手や紐の跡は全く無い。」
「あっ。口に何か。鑑識さん。」
鑑識が口から何かを取り出し言った。
「毛ですね。短くて縮れています。本人の毛ではないでしょう。陰毛かと。」
「陰毛。至福の表情と口に陰毛。そして真綿で首を絞められたような死に方。ふむ、興味深い。」
「レイカ。何かわかったか?」
「いや。これだけでは。他には。」
「それと、不思議なことにガイシャは射精している。」
「死後勃起みたいな?」
「いや。勃起はしていない。
射精してから死んだんだろう。」
「そして至福の表情か。」
「課長。ホテルの監視カメラ映像が手に入りました。若い女と二人で昨夜8時頃チェックインしたみたいです。11時頃、ホテルを足早に出て行く女の姿も映ってます。」
「レイカ。もう遺体を回収するぞ。」
「大丈夫です。詳しいことが分かったら連絡ください。」
レイカは静かに手を合わせた。
「レイカ先輩。変わった殺人事件ですね。」
「いや。あれは事故だな。」
「えっ。事故。」
「榊原、お前あの状況で何も分からんのか。
だからお前は、童て、まあ、いい。」
「だって、自殺とは考えられないし。」
「あれは事故だ。まあ、悪い死に方ではないな。
うん。悪くない。たぶん悪くないぞ。
まあ、殺しの線もゼロではないがな。」
「レイカさん。詳しく教えてくださいよ。」
「はははっ。まだ内緒だ。さっさと帰るぞ。
さて腹も減ったし、縮れ麺の上手いラーメンでも食うか?」
「えっ。縮れ麺。行くっす。やっほー。
縮れ麺大好物っす。」
「全く、お前って奴は。餃子は自分で払えよ。」
「マジっすか。レッツ縮れ麺!」
この時二人は、これがあの大企業を揺るがす事態に発展するとは思いもよらなかったのだった。
「お待たせしました、課長。」
「お前に見てもらいたいホトケさんがいてな。
免許証には木下大五郎、62歳とある。
スーツや靴からすると、そこそこ金や地位がありそうな男だ。
財布にはまだ8万円以上残っている。
証明書や名刺はない。他はこれから調べる。」
レイカは裸でベッドに横たわる男に近付いた。
「課長、これは。」
「そう。嬉しそうに笑っている。妙だろう。」
「確かに。まるで楽園か天国を見たかのように。
まさに至福の表情とはこのこと。」
「俺もいろんな死に顔を見てきたが、こんなのは初めてだ。」
「死因は。」
「多分窒息死だ。それも何か柔らかいもので絞められている。手や紐の跡は全く無い。」
「あっ。口に何か。鑑識さん。」
鑑識が口から何かを取り出し言った。
「毛ですね。短くて縮れています。本人の毛ではないでしょう。陰毛かと。」
「陰毛。至福の表情と口に陰毛。そして真綿で首を絞められたような死に方。ふむ、興味深い。」
「レイカ。何かわかったか?」
「いや。これだけでは。他には。」
「それと、不思議なことにガイシャは射精している。」
「死後勃起みたいな?」
「いや。勃起はしていない。
射精してから死んだんだろう。」
「そして至福の表情か。」
「課長。ホテルの監視カメラ映像が手に入りました。若い女と二人で昨夜8時頃チェックインしたみたいです。11時頃、ホテルを足早に出て行く女の姿も映ってます。」
「レイカ。もう遺体を回収するぞ。」
「大丈夫です。詳しいことが分かったら連絡ください。」
レイカは静かに手を合わせた。
「レイカ先輩。変わった殺人事件ですね。」
「いや。あれは事故だな。」
「えっ。事故。」
「榊原、お前あの状況で何も分からんのか。
だからお前は、童て、まあ、いい。」
「だって、自殺とは考えられないし。」
「あれは事故だ。まあ、悪い死に方ではないな。
うん。悪くない。たぶん悪くないぞ。
まあ、殺しの線もゼロではないがな。」
「レイカさん。詳しく教えてくださいよ。」
「はははっ。まだ内緒だ。さっさと帰るぞ。
さて腹も減ったし、縮れ麺の上手いラーメンでも食うか?」
「えっ。縮れ麺。行くっす。やっほー。
縮れ麺大好物っす。」
「全く、お前って奴は。餃子は自分で払えよ。」
「マジっすか。レッツ縮れ麺!」
この時二人は、これがあの大企業を揺るがす事態に発展するとは思いもよらなかったのだった。
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