厭離穢土

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前編

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ヒーローというのをご存知ですか?
人々を助ける正義の味方、輝かしい存在。

でも現実ここにそんなのは居ないんだよ。
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今日も気持ちの悪い1日が始まる。
この場所が嫌いだ。どうしてこんな環境に束縛されないといけないのか。
僕のクラスではが行われている。
構図としては、1人にクラス全員がいじめている。しかも先生までもが。

僕は止めれるものなら止めたい。
だけれどそんな気持ちは結局は他人事で偽善でしか無かった。
動けなかった。
守れなかった。
助けられなかった。

結局僕はただの臆病な共犯者だ_。
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義務教育でいじめがダメなことなんて耳が腐るほど聞いてきた。
動画サイトで見たいじめによって自殺した少年の遺書の映像なんて目に焼き付いている。
それなのに、それなのに、それなのに…

今日もその少年は登校して来た。
『死ね、気持ち悪い、消えろ、ゴミ、居なくなれ』
その少年の机にはびっしりと罵詈雑言が書かれていた。
その後は無視をし続けたり、シャープペンシルを壊したり、仕舞いには暴力を振るったり…。
見ているだけで吐き気がしてきた。
辛いのは自分じゃないのに。
自分は傍観者のクセに。

何だろう。この気持ち。
心の奥を抉り取られるような、脳を叩き潰されるような。
あぁ、本当にこの世界が嫌いだ。
いじめている奴らも嫌いだ。
何もしない教師も嫌いだ。
何より何も出来ない自分。自分。自分。
本当に大っ嫌いだ。消えてくれ。
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