一本橋の君

西智

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第2章 転校生

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 夜、またあの少女の夢を見る。今度は違う場所であるけれど、彼女はやはり美しい。
 彼女との夢を見ると亮也は心落ち着く。変な意味じゃないぞ…
 朝、また謎の雰囲気にのみ込まれるまたあの子に会いたいーーただそれだけだ。
 また夢落ち…そしていつもの日常へと舞い降りた。
「まっ、また夢か…」
 普段の朝の準備をし学校に徒歩で向かう。
また校門で外車などが入り乱れている光景を見ながら、通学するの。
 あっ…学校名をまだ行ってなかったな
 ”盟正学園”だ。盟正学園は歴史あるセレブ校で、色々なお嬢様や御坊ちゃまなどが在籍していて、幼稚園から大学まである学園である。また全校生徒は3000人以上もいるのだ。この学校のカリキュラムはかなりきつくかなり親の評判が良い。
 
  チャイムと同時に先生がHR(ホームルーム)をしに入ってきて、
「今日は、クラスに転校生がいらっしゃいます。皆様仲良くするようお願いいたしますね」
「転校生ですって」
「どんな方なのでしょう」
教室がざわつく。亮也は教室に入ってきた少女を見た途端何かが込み上がってくる感情に陥った。隣の席のゆりがそれを見ていじけている。
その少女はまさしく夢の中の夢に出てくる少女だ。
 「これは現実か現実なのか…」
少女は黒板に名前を書いて
「私は冬城雪です。よろしくいたしますわ」
亮也と雪の視線が合い雪がこちらに向かってにこっと笑った。隣のゆりはかなり鋭い視線を亮也に浴びせていた。
なんだろうこのチクチクする感じはまぁ気のせいかな…
 そして、雪は亮也の前まで行き、
「亮也様、やっとお会いできましたわ。ほんとずっとずっとー」
また鋭い視線を感じるがまあほっとこう。
雪はまじまじと亮也を見つめる。その表情はものすごく心を突き動かす。雪は背が高くすらっとしている。黒髪のロングでまさに大和撫子を代表するその美しさはこの学校でも5本の指の一角に匹敵するくらいの華やかさだ。
 ちなみに隣のゆりも一角に入っているらしいがそれは今は関係ないか。
 そして、雪は俺の後ろの席に座った。そして、横と後ろから視線が半端なく、ここは本当にセレブの学校?というような感じになっていた。
  HRが終わり、雪の周りにはたくさんのクラスメートで覆われていた。雪は亮也に向かってこちらに視線を送っているので少し助けてやるか…
 しかし、亮也がいくら言ってもクラスメートで溢れかえるのだった。
  そういえば、昨日両親に許嫁が転校してくると聞いたがどの子かな…
雪は放課後亮也に
「亮也様、一緒に帰りませんか?夫婦で」
神のようなその笑顔に瞬殺されるようなキラースマイルが亮也の心を突き刺す。
また横から鋭いレザービームが炸裂する。
雪と一緒に帰ることとなった。
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