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第二章 社長生活の開始
デスク、矢島
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9時50分。
就業時間10分前に社長室に現れたのは、デスクの矢島、いや、矢島さん、だった。
年齢は30代中盤だろうか。
落ち着きと色気。
矢島さんは、瀬戸や後藤とは違って、大人の雰囲気を漂わせた女性だった。
「おはようございます、社長」
はきはきとした、それでいて聞き取りやすい声に、独特の魅力がある。
「あの」
オレは疑問に思っていた事を、率直に尋ねた。
「矢島さんは【デスク】なんですよね?【マネージャー】とはどう違うんですか?」
矢島さんは笑って答えてくれた。
「簡単に言うと、所属声優たちの仕事を取って来るのが【マネージャー】、私【デスク】は、そのスケジュールを管理するのが仕事です」
矢島さんは、パソコンを開いて見せてくれた。
「例えばこの・・・所属声優にプライベートのNGがある時は、それをまず入力します。次に、レギュラーの仕事、これは毎週確実に入って来る仕事ですから、ダブルブッキングを防ぐ為にこれを入力します。次に単発の仕事・・・ゲスト出演やバラエティ番組の出演、声優によっては舞台のリハーサルや本番、イベントの仕事などが入ります。空いている所はオフになりますね。その全てを把握、調整するのが私の仕事です」
オレは感心して言った。
「大切な仕事ですね・・・【デスク】がしっかりしていないと、プロダクションはまわらない」
「ミスは許されない仕事ですから・・・責任を持ってやらせていただいております」
「矢島さんは、ベガの【要】と言っても過言ではない」
「そんな大層な立場ではありませんが・・・所属声優の皆さんにはもちろん、マネージャーたちにも気持ちよく仕事をしていただけるように、頑張っているつもりです」
派手な仕事ではないかもしれない。
しかし、本当に重要な仕事だ。
ちょっと地味とも思える化粧、服装。
それは全て、矢島さんの人となりであり、その仕事ぶりを表しているように思えた。
プロダクションにかかってきた電話は矢島さんが取る訳だから、ベガの窓口と言っても良い。
この人も信頼出来る人だ。
そう思った。
就業時間10分前に社長室に現れたのは、デスクの矢島、いや、矢島さん、だった。
年齢は30代中盤だろうか。
落ち着きと色気。
矢島さんは、瀬戸や後藤とは違って、大人の雰囲気を漂わせた女性だった。
「おはようございます、社長」
はきはきとした、それでいて聞き取りやすい声に、独特の魅力がある。
「あの」
オレは疑問に思っていた事を、率直に尋ねた。
「矢島さんは【デスク】なんですよね?【マネージャー】とはどう違うんですか?」
矢島さんは笑って答えてくれた。
「簡単に言うと、所属声優たちの仕事を取って来るのが【マネージャー】、私【デスク】は、そのスケジュールを管理するのが仕事です」
矢島さんは、パソコンを開いて見せてくれた。
「例えばこの・・・所属声優にプライベートのNGがある時は、それをまず入力します。次に、レギュラーの仕事、これは毎週確実に入って来る仕事ですから、ダブルブッキングを防ぐ為にこれを入力します。次に単発の仕事・・・ゲスト出演やバラエティ番組の出演、声優によっては舞台のリハーサルや本番、イベントの仕事などが入ります。空いている所はオフになりますね。その全てを把握、調整するのが私の仕事です」
オレは感心して言った。
「大切な仕事ですね・・・【デスク】がしっかりしていないと、プロダクションはまわらない」
「ミスは許されない仕事ですから・・・責任を持ってやらせていただいております」
「矢島さんは、ベガの【要】と言っても過言ではない」
「そんな大層な立場ではありませんが・・・所属声優の皆さんにはもちろん、マネージャーたちにも気持ちよく仕事をしていただけるように、頑張っているつもりです」
派手な仕事ではないかもしれない。
しかし、本当に重要な仕事だ。
ちょっと地味とも思える化粧、服装。
それは全て、矢島さんの人となりであり、その仕事ぶりを表しているように思えた。
プロダクションにかかってきた電話は矢島さんが取る訳だから、ベガの窓口と言っても良い。
この人も信頼出来る人だ。
そう思った。
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