推しの速水さん

コハラ

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2話 速水さんからのオファー

《8》

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帰宅してからは放心状態だった。

頭の中が速水さんでいっぱい。
緊張でいっぱいだったけど、速水さんと過ごした時間は夢の世界にいるようだった。

速水さん、素敵だったな。
速水さんに頂いた名刺を見つめながらニヤニヤする。

速水文人あやと

下の名前はあやとさんって言うんだ。あやくんとか、あやちゃんとかって、親しい人には呼ばれるのかな?

あや様……。

なんちゃって。
あや様呼びはさすがにやり過ぎかな。

やっぱり速水さん呼びがいいか。

なんて事を考えて、ベッドの上でバタバタしていたら、「美樹、いくちゃんよ」というお母さんの声が下から響いた。

トントンと軽快に階段を上って来るいくちゃんの足音がする。
ガチャっと私の部屋のドアが開き、チェック柄のシャツワンピース姿のいくちゃんが現れた。

「集学館どうだった?」

いくちゃんが好奇心いっぱいの目を向けて来た。
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