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プロローグ

3. 祖父の懺悔②

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日本という国は昔から村八分むらはちぶという言葉があり仲間外れ
にしたりする事があるのじゃよ。何も悪い事をしていな
くても誰かを標的にせずには居られない衝動というのが
学生時代には根強くあるんじゃ」


 最下段には*から始まる注訳が書かれていて、そちら
にも目を通す。

*村八分(むらはちぶ)とは村のおきてやルールを守れ
なかった人や家族に対して村民全体が申し合わせて絶交
(仲間外れ)するもの。

 
 文面は一旦終わりを告げるが三行空けてから再開する。
「タカフミの父親(私の息子)はこの本を必要としなか
ったが孫のお前には是非、この本を使って一生忘れられ
ない青春時代を築いて欲しいと思っている。いつも他人
の顔色をうかがっている内気なタカ坊にはピッタリの本
じゃよ!」

更に後には一際大きく(五倍くらいの大きさ)書かれた

『ボーイズ・ビー・アンビシャス!』の言葉が胸に深く
突き刺さる。太いマジックで力強く書かれたカタカナだ
ったが日本人の男の子なら大好きであろうクラーク博士
の言葉”少年よ大志を抱け”である。

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