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戦勝者の憂鬱
桜散る(エロ度☆☆☆☆☆)
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「秀頼、約束は果たしたのですから、2人の希望は叶えるのですね?」
眼がさめると昨晩の情事が嘘のようにピシッとした母上に言われてしまう。
「え~、でも母上、江叔母上に種付けしてません」
素直に不満を言う。
母上と初叔母上にはしっかり膣出ししたから良かったけれど・・・・・・。
「秀頼、母や叔母を孕ませてどうします」
「あ、もしも母上が孕んだら、弟妹なんですか? 子供なんですか?」
ヒクッと母上がひきつった顔をする。
「秀頼、よく聞きなさい。天下人である貴方の行動は誰もが見ているのです。そして、貴方がおかしなことをすれば天下の誰もが不安になる。そして不安が溜まれば世が乱れる。それが天下人なのです」
「それ、もしかしておね様の言葉ですか?」
「ウッ・・・・・・」
やっぱりか。
確かにあの人ならそう言いそうだ。
恐らくは天下人の母としての心持を説く時に話したんだろうけど。
「母上。江叔母上達の願いは勿論聞き届けます。その上で相談があります」
「・・・・・・なんです?」
「昨晩の話にあった子女達の話です」
「諸大名の子女を豊臣家預かりにするという話ですね?」
「はい。しかし、ただ預かるだけでは居場所がないと思うのです。なので!」
「・・・・・・まさか後宮を造るとでもいうのではないでしょうね?」
ジト目で睨まれてしまう。
いや、大奥だからぁって、全く同じですね。
後宮は中国皇帝の大奥みたいなものだ。
この時代には大奥と言う言葉が存在しないので後宮と表現したのだろう。
ということで、
「大正解!」
「駄目です」
「・・・・・・じゃ、子女達をどうするのです? 豊臣の財政的にただ遊ばせておくことは簡単ですけど、それでいいのですか?」
「それは・・・・・・」
「反論は代案が無ければ聞きつけません! それじゃ母上、俺はお仕事がありますので! 後宮のまとめ役は母上に任せます。考えておいてくださいね!」
「待ちなさい、秀頼!」
母親に待てと言われて待つ子供はいない。
とっとと今日のお仕事を終わらせよう。
たぶん、三成達が昨日の内に恩賞や転封・加増の整理と処罰の整理を終わらせているはずだ。
後は俺が署名をしてやれば良い。
そうすれば4日後には諸将が集まり論功行賞を行い、ようやくこの戦は終わりとなる。
ふと、階下の向かいの廊下をトテトテと歩く幼女の姿が目に入る。
千姫が江叔母上と共にいられるのもあと4日。
「・・・・・・今のうちに甘えておきなよ」
母と別れて暮らさなければいけなくなる憐れな娘に申し訳なく思ってしまう。
他の大名の子女達と違い、母上の養女となる千姫には乳母も付いてくる。
そう言った意味では他の娘達よりは手厚い環境にはあるが、それでもたったの4歳で実の母と別れなければいけないと言うのは可愛そうでならない。
いくら新しく義母や義兄が出来たり、種違いとは言え姉・完子と一緒と言っても、そう簡単に寂しさを埋められるものではないだろう。
・・・・・・そう言えば、江叔母上にはもう一人珠という赤ん坊がいる。
そちらも母上の養女となるわけだが、俺の2つ上の完子も含めれば江叔母上の娘3人がそうなったことになる。
そうしてしまったのは俺自身だけど、浅井三姉妹もその娘達もやはり数奇な運命を辿るということか。
散ゆく桜が春の終わりを告げている。
既にして歴史は大きく動いた。
もはや誰も俺をただの子供だとは侮らないだろう。
これからは天下人として、日の本の総帥として、ああいった幼子達の運命も背負って行かなければいけない。
「殿、御採択をいただきたく」
「三成、人が感慨に耽っている時にそれは無くないか?」
「それも長たる者の使命にございます」
俺には桜を楽しむ余裕はないらしい。
「はぁ、あ、そうだ。そういや頼んどいた菓子は着いたか?」
「ははっ!」
三成の仏頂面を見飽きたら、またマイエンジェルに菓子をあげに行こう。
眼がさめると昨晩の情事が嘘のようにピシッとした母上に言われてしまう。
「え~、でも母上、江叔母上に種付けしてません」
素直に不満を言う。
母上と初叔母上にはしっかり膣出ししたから良かったけれど・・・・・・。
「秀頼、母や叔母を孕ませてどうします」
「あ、もしも母上が孕んだら、弟妹なんですか? 子供なんですか?」
ヒクッと母上がひきつった顔をする。
「秀頼、よく聞きなさい。天下人である貴方の行動は誰もが見ているのです。そして、貴方がおかしなことをすれば天下の誰もが不安になる。そして不安が溜まれば世が乱れる。それが天下人なのです」
「それ、もしかしておね様の言葉ですか?」
「ウッ・・・・・・」
やっぱりか。
確かにあの人ならそう言いそうだ。
恐らくは天下人の母としての心持を説く時に話したんだろうけど。
「母上。江叔母上達の願いは勿論聞き届けます。その上で相談があります」
「・・・・・・なんです?」
「昨晩の話にあった子女達の話です」
「諸大名の子女を豊臣家預かりにするという話ですね?」
「はい。しかし、ただ預かるだけでは居場所がないと思うのです。なので!」
「・・・・・・まさか後宮を造るとでもいうのではないでしょうね?」
ジト目で睨まれてしまう。
いや、大奥だからぁって、全く同じですね。
後宮は中国皇帝の大奥みたいなものだ。
この時代には大奥と言う言葉が存在しないので後宮と表現したのだろう。
ということで、
「大正解!」
「駄目です」
「・・・・・・じゃ、子女達をどうするのです? 豊臣の財政的にただ遊ばせておくことは簡単ですけど、それでいいのですか?」
「それは・・・・・・」
「反論は代案が無ければ聞きつけません! それじゃ母上、俺はお仕事がありますので! 後宮のまとめ役は母上に任せます。考えておいてくださいね!」
「待ちなさい、秀頼!」
母親に待てと言われて待つ子供はいない。
とっとと今日のお仕事を終わらせよう。
たぶん、三成達が昨日の内に恩賞や転封・加増の整理と処罰の整理を終わらせているはずだ。
後は俺が署名をしてやれば良い。
そうすれば4日後には諸将が集まり論功行賞を行い、ようやくこの戦は終わりとなる。
ふと、階下の向かいの廊下をトテトテと歩く幼女の姿が目に入る。
千姫が江叔母上と共にいられるのもあと4日。
「・・・・・・今のうちに甘えておきなよ」
母と別れて暮らさなければいけなくなる憐れな娘に申し訳なく思ってしまう。
他の大名の子女達と違い、母上の養女となる千姫には乳母も付いてくる。
そう言った意味では他の娘達よりは手厚い環境にはあるが、それでもたったの4歳で実の母と別れなければいけないと言うのは可愛そうでならない。
いくら新しく義母や義兄が出来たり、種違いとは言え姉・完子と一緒と言っても、そう簡単に寂しさを埋められるものではないだろう。
・・・・・・そう言えば、江叔母上にはもう一人珠という赤ん坊がいる。
そちらも母上の養女となるわけだが、俺の2つ上の完子も含めれば江叔母上の娘3人がそうなったことになる。
そうしてしまったのは俺自身だけど、浅井三姉妹もその娘達もやはり数奇な運命を辿るということか。
散ゆく桜が春の終わりを告げている。
既にして歴史は大きく動いた。
もはや誰も俺をただの子供だとは侮らないだろう。
これからは天下人として、日の本の総帥として、ああいった幼子達の運命も背負って行かなければいけない。
「殿、御採択をいただきたく」
「三成、人が感慨に耽っている時にそれは無くないか?」
「それも長たる者の使命にございます」
俺には桜を楽しむ余裕はないらしい。
「はぁ、あ、そうだ。そういや頼んどいた菓子は着いたか?」
「ははっ!」
三成の仏頂面を見飽きたら、またマイエンジェルに菓子をあげに行こう。
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