琉球お爺いの綺談

Ittoh

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お爺の一考

コミュニケーションスキルは三種類ある

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 三種類で分けたのは、通信工学の考え方からである。
signal protocol:
 通信の最初は、文字の符号化と復号化である。コミュニケーションについても同等に判断すれば、まずは相手に伝達可能な信号を生成し、相手に伝えることができるスキルを示す。
 言葉を喋れれば、伝達可能な信号を生成しやすくなり、伝達が容易になる。一般にコミュニケーションスキルは、このsignal protcol skillに限定して話されることが多い。
theory of knowledge:
 「知の理論」や「知識論」という翻訳をしているが、日本語変換不可能としてTOKと書かれたりしている。知識を相手に伝達する場合の技法に習熟しているかどうかを示すスキルである。
 自分の言葉について、相手の理解度を、相手の態度、状態から分析し、相手に伝わるように、語彙や話し方、伝え方を変化させて、相手の理解度を向上させるスキルである。
 コミュニケーションで評価対象となるのは、この部分のスキルを示している。
common recognition:
 common sense常識化能力と呼んでも良いかとは思うスキルである。相手とのコミュニケーションの結果として、互いの認識イメージそのものへの理解を一致させるスキルである。問題としては、完全に一致させることは、不可能であることと、一致したと誤解することで、重大なコミュニケーション障害を招く可能性がある。
 コミュニケーション障害は、相手の言葉が理解しようとしなくなることで始まる。
「馬耳東風」「馬の耳に念仏」といった状態が、コミュニケーション不良の最たる状態である。これは、言葉が通じるかどうかには、まったく関係ないコミュニケーション障害である。
 これを一般のコミュニケーションで展開する技法として、イメージの一般化や、暗黙知の形式知化といった技法で、コミュニケーションを補助していく技法が進められている。マネージメントで重要となる、コミュニケーションが、様々な技法として、確立されつつあるのは、common recognitionのスキルは、個人のスキルではなく、コミュニケーショングループ内における、コミュニケーションへの対応に関するスキルである。



 グローバルコミュニケーションを浸透させるという考え方は、理解できないことではないが、まずは、異なるコミュニケーショングループとのコミュニケーション能力をまず向上させることが必要だと思う。
 現在の学校教育では、異なるコミュニケーショングループとのコミュニケーション能力を向上させずに、signal protocolに関するスキルを向上させても、結果的に異なるコミュニケーショングループとのコミュニケーションが取れるようにはならない。
 まずは、同一言語を話していると推定される、コミュニケーショングループ内で、コミュニケーションを取ることを可能とすることが、最初の第一段階だと思うのだが、どうも、最初の段階を無視して、砂上の楼閣とやらを造ることが好きな人が多くて困る。
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