琉球お爺いの綺談

Ittoh

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ヨーロッパ歴史if

ボゥディカの勝利、ローマ軍団壊滅

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 宵闇の歴史を西側から描こうとした場合、ローマ帝国そのものは弄らないが、辺境の戦いである。「ボゥディカの悲劇」を「ボゥディカ英雄譚」に変換する辺りから、ローマ帝国の拡大の停止と平衡世界の始まりを築くというのはありかなぁと思っています。



「ボゥディカの悲劇」
 ケルトの穏健派であり、遊動から定住へ変化しつつあったイケニ族族長の妻であったボゥディカは、夫プラスタグスの死によって、族長となりましたが、ローマでは女王が認められなかったこともあって、ボゥディカは族長の資格が無いものとされ、娘二人と共に、ローマ人からの暴虐と輪姦を受けます。
 怨讐の誓いを受けて、ブリテン島の諸族を率いて、ガイウス・スエトニウス・パウリヌスが率いるローマ軍へ闘いを挑み、初戦において勝利を重ね、兵力を拡大していって、強大な勢力を構築していきます。しかしながら、これが怨讐という点で始まっていることから、ローマ軍への虐殺は、一般市民へも及んで、徹底的な破壊と共に、ローマ軍を敗北すれば死するしかない状況へと追い込んでいきます。
 こういった流れの中で、ボゥディカは、ブリタニア諸部族連合を率いて、ローマ軍との決戦をおこない、完膚なきまでの敗北となって、ブリタニア諸部族連合が壊滅します。
 ここから、ローマによる、ブリタニア統治が完成していくこととなります。



「ボゥディカ英雄譚」
 ケルト穏健派であり、遊動から定住へ変化しつつあった池に族長の妻であったボゥディカは、夫プラスタグスの死によって族長となりましたが、ローマ人では女王が認められなかったため、ボゥディカは族長の資格が無いものとされ、ローマ人から暴虐と輪姦を受けます。長女エスィルトは、恋人でローマ人プロモロスや次女ネッサンと脱出し、北方へと逃げのびます。
 怨讐の誓いを立てたボゥディカは、ブリテン島の諸族を率い、デキアヌス・カトウス率いるローマ軍へと戦いを挑みます。デキアヌス・カトウスが防衛する、コルチェスターは壊滅し破壊の限りを尽くします。デキアヌス・カトウスは、陰茎を斬られ口に突っ込まれて口を縫合されるという死に様で晒されます。
 コルチェスターを陥落させた、ボゥディカ率いるブリテン島の諸部族連合は、ロンドン攻略戦を検討します。ガイウス・スエトニウス・パウリヌスは、ローマ軍が集結しきれないために、ロンドン防衛は不可能と判断し、南へと撤退をおこなった。
 結果的にローマ商人達は、ボゥディカの娘エスィルトをロンドンの女王として迎え、恋人プロモロスを支援することで、略奪横行を避け、ボゥディカへ食料や武器等の供給を始めます。
 中心となる拠点を失い、ロンドンがボゥディカの支配下となったことで、ブリテン島で孤立した、ローマ軍は、ガイウス・スエトニウス・パウリヌスは、ロンドンから南に下がった広大な森に挟まれた峡谷へと布陣した。
 ローマ軍10000、ブリタニア諸部族連合230000
 ボゥディカは、峡谷の両側の森を歩兵隊で浸透突破を図り、敵陣後方へ出ると共に、包囲殲滅戦を図ります。正面からの侵攻は、多大な犠牲を払ったものの、後方に出た別動隊が本陣後方から強襲をかけることで、逆襲に転じて、半数近くを失うものの、ガイウス・スエトニウス・パウリヌスを打倒すことに成功します。
 結果的に、サウザンプトンの港町へ到達した、ボゥディカは、ローマ人へ向かって、ロンドンと同じようにエスィルトを女王として迎えるか滅びるかを突き付け、軍団が壊滅したサウザンプトン港を支配下とします。
 ローマ軍は、拠点を失っていくことで、プリマスに残ったローマ軍は、本国からの援軍を望むこともできず、結果としてブリテン島からの撤退を余儀なくされます。
 ボゥディカは、怨讐の誓いを果たし、イケニを含めたケルト諸部族を率いた女王として君臨します。
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