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三章
二十二話
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一限目が終わっても、和義は早紀の霊力を捉えることが出来なかった。(欠席が多いとは聞いていたが、何も今日休まなくても)と、八つ当たり気味に思ってしまう。
授業には身が入らず、不安と苛立ちを覚えながら日中を過す。
帰りに早紀の家に寄ろうと、彼は決めた。
放課後になり、急いで階段を降りていた和義は、達也に呼び止められた。
しかし、何かを言おうとしていた達也が、突然誰もいない方向に顔を逸らす。視線の延長線上には駅があり、その周辺に気配を感じ取ったのだ。
殺気を帯びた三つの霊力が、北西方向から街中に侵入してきた。それらを迎え打つように四つの霊力が出現すると、次の瞬間には全ての気配が消え去ってしまう。
唐突な展開の連続に、和義は理解が追いつかない。
(俺には想像もつかない何かが、この街で起こっている…)
「今のは、最近街を荒らしてる化け物の手下だ。お前には、護衛がいるから安心して帰れ。駅辺りには、近づかないようにしろ」
いつもより早口で喋り終えるのと同時に、達也の肉体や身に付けている物全てが、墨で塗り潰したように黒一色となる。
そうして影法師の如く姿を変えた刹那、和義に返事をする間も与えず、忽然と姿を消してしまった。
更に複数の気配が、現れては消えていく。達也の霊力も凄まじい速度で移動していき、異変が起きている場所に着くと、全ての気配が感じ取れなくなった。
授業には身が入らず、不安と苛立ちを覚えながら日中を過す。
帰りに早紀の家に寄ろうと、彼は決めた。
放課後になり、急いで階段を降りていた和義は、達也に呼び止められた。
しかし、何かを言おうとしていた達也が、突然誰もいない方向に顔を逸らす。視線の延長線上には駅があり、その周辺に気配を感じ取ったのだ。
殺気を帯びた三つの霊力が、北西方向から街中に侵入してきた。それらを迎え打つように四つの霊力が出現すると、次の瞬間には全ての気配が消え去ってしまう。
唐突な展開の連続に、和義は理解が追いつかない。
(俺には想像もつかない何かが、この街で起こっている…)
「今のは、最近街を荒らしてる化け物の手下だ。お前には、護衛がいるから安心して帰れ。駅辺りには、近づかないようにしろ」
いつもより早口で喋り終えるのと同時に、達也の肉体や身に付けている物全てが、墨で塗り潰したように黒一色となる。
そうして影法師の如く姿を変えた刹那、和義に返事をする間も与えず、忽然と姿を消してしまった。
更に複数の気配が、現れては消えていく。達也の霊力も凄まじい速度で移動していき、異変が起きている場所に着くと、全ての気配が感じ取れなくなった。
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