Retry 異世界生活記

ダース

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第2章.少年期

35.父さんどんな魔物狩ったことある?

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とりあえず、今は毎日コルトに言われた通り、
魔力を体中に充填じゅうてんしつつまとう様に常にしている。


この修行を始めてから、魔力の感覚が着々と掴めるようになってきている気がする。
確かにあいつコルトの言う通りの修行の効果が得られそうだ。
うれしいが、なんだか悔しい。

まぁ、それはさておき、
この修行のいいところが、なんとMPを消費しないということだ。
すばらしい。
確かに自分の魔力を操作しているだけだからな。


おそらく、この世界の魔素と呼ばれるものに干渉し、魔法を発動しないとMPは消費されないのではないだろうか。


\ピコーン/
・魔力操作Lv7 → 8


くっくっく。
これでは、俺がコルトの魔法をすぐ覚えてしまうな。

魔法を覚えた暁には「ヒトあなどるではない!」
とビシッと言ってやるのだ。




う~む。強い魔法を覚えたら魔物狩りにでも行きたいな~。
そんなことを思いつつ、今日も父の雑貨屋の手伝いをする。


週の初めに店に置いた蜂蜜は既に売り切れだ。
うむ。順調順調。
やはり甘味は売上がいいのだな。と安心する。


あ、そういえば、父も冒険者を一応やっている。
雑貨屋で売るモフリィの干し肉の材料を時たま狩ってくるくらいだが。


一応聞いてみようと話しかけた。
「父さんはどんな魔物を狩ったことがあるの?」

「ん?そうだなー。まぁ今はモフリィくらいしか狩ってないが、昔は俺とラティ、それにデランとレイビーと4人パーティを組んでいたからいろいろと狩ったなー。」

デランさんとレイビーさんは、以前俺達家族で行った「レストラン ドラウサ」の店主夫婦だ。
…またハイバイソンのステーキが食べたい。


「オーガなんかを狩ったこともあるんだぞー?あれは強かったな…。4人みんなボロボロになりながらなんとか討伐したなー。いやぁ、今となってはいい思い出だ。」
そう父は笑って話した。


ちなみにオーガの角は見た目が格好いいこともあるが、
魔力をよく通すらしく、装飾品のほかに武具の素材としても需要があるらしい。
肉は固いので食用には向かないそうだ。


なるほどー。と思って父の話を聞いた。

お?しかしどうやら魔力をよく通せる素材はなにかよい武器や防具になるようなことを言っているな…。

今修行している魔力を体にまとう練習のように、物も魔力をまとわせるようなことをすると強力になるのだろうかと思った。



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オーガ:頭に角の生えた魔物。森の中に生息していることが多い。
身体が頑強であるため、半端な物理攻撃ではダメージを与えることができない。
魔法による攻撃は比較的通りやすく、火の魔法が弱点であるとされているが、弱点属性の異なる亜種がたまにいるので注意が必要。
角は装飾品や武具の素材になるため、高値で取引される。
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