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昼休み

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メールにはこう書かれていた。

"美菜、遊びに来たから今からトイレに来な。個室に入って待つんだよ。ナミ"

席まで押し掛けられても困る・・
美菜は仕方なく、言われるままにトイレに行き、個室に入った。閉めようとすると、
いきなりナミがドアを押し退けて入り込んできた。

「美菜、コンビニ弁当なんてシケたランチだねえ。」

ナミは美菜をバカにした様に言った。

「シッ!大きな声出さないで。いつも言うけど、会社は困るのよ。早く帰ってよ。」

美菜は周りに聞こえない様に声をひそめて言った。

「フン!せっかく遊びに来てやったのに、相変わらず愛想がないね!」

ナミはそう言うと、美菜の二の腕をブラウスの上から掴み、強く握り締めた。

「痛っ!」

美菜は思わず声を上げそうになったが、じっと我慢して痛みに耐えた。

昨夜、ナミに靴ベラで責められたのは当然意識の中だけの話で、実際は腕には
傷一つない。朝、家を出る前にも確認している。

だが、ナミが現れたことで、美菜の体はいわゆる〝ナミモード〝的な状態に
入ってしまった。

「ナミ、放して・・お願い・・痛い・・」

「ふ~ん。そんなに痛いの?」

「あ、当たり前でしょ!き、昨日あれだけ痛めつけられたんだから・・平気な方がおかしいよ。早く放して・・」

美菜は、痛みを堪えながらナミに訴えた。ナミがようやく掴んでいる腕を放すと、美菜は腕を押さえて蓋の閉まった便器の上に座り込んだ。強く握られた二の腕がズキズキと痛む。

「本当に痛そうね。可哀想に・・今から私が治療してやるからね。

「もう放っておいて・・ お願い帰って。」

美菜はぐったりしながらナミに言ったが、彼女は聞き入れてくれない。

「心配ないわ。効くわよきっと!」

ナミは美菜の白いブラウスのボタンを静かに外すと、右腕だけ脱がせた。
美菜の露わになった二の腕は、酷く腫れ上がっていた。

「お願いやめて・・」

大声を出せない美菜が囁く様にナミに頼むと、ナミは真似する様に美菜の耳元で
囁いた。

「これからお前の痛いところを揉み解してあげるから、少しの間辛抱しなさいよ。」

そう言うと、ナミは美菜のポケットの中からハンカチを取り出し、口に押し込んだ。

「ハンカチ、強く噛んでるんだよ。声を出すとまずいんだろ?」

ナミは、脅えながら自分を見つめる美菜を楽しそうに見つめながら、ゆっくりと
美菜の二の腕を両手で握り締めた。
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