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第2章

ギャグ「……なんかすみません。あの、結構いい線いってましたよ?はい。あとレベルを10くらい…あ、はい。もう限界。…なるほど。」

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━━誤解が解けるまで相当時間がかかった。
当然その間も攻撃はやまなかったため小屋はもう跡形もない。
「にしてもかたいっすね。英傑クラスっすよ」
「英傑?」
「そうっす。あ、えーと、英傑ってのはちょ~強い七人の人を指す言葉っすよ」
薄く笑いながら夜空を見る。
「現実は……現実だもんなぁ」

━━その時から実に2か月の月日が流れた。
3週間で執事のノウハウは学び尽くした。
独り身であるがため、10分ほどで帰宅。
それからと言うもの、執事としての生活をしていた。
リズさんが言うにはかなり良い執事らしい。
自分としては全く実感がわかなかったが。
でも結局執事をやめることにした。
自分の柄に合わないというか、それよりも気がかりなことがあって。
「やっと帰ってきてくれたと思ったのに」
「いや~っごめんな?リズたん。まだ外の世界でいろいろやることがあったんだわ」
「だ、だからって。」
「リズ。やめなさい」
「……わかりました。アルファイン様」
「……アルたん。いろいろと迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ないと思ってるしとても感謝してる」
「……いつでも戻ってきてくれ。ちなみにリズの誕生日は一週間後だ」
小声でそんなことを言われた。
「了解。我が主人。……それじゃあ案外早い帰宅になりそうだな」
「そのようだな」
「じゃあなリズたん、アルたん。」

━━いろいろあって今、野宿をしている。
執事をやめた理由は一つ。
幻想の白兎を探す。
多分一人で探しても見つからない。
だからある人たちに協力を仰ぐつもりだ。
「お、こんなところにいたっすか」
聞き覚えのある声だ。
あの少年の声。
「なに?また俺を幻想の白兎だとか言ってボコボコにするつもり?」
「いや、今回は違うっすよ」
「ちょっとした勧誘ってやつっす」
「勧誘……なるほど、どんな内容だ?」
「うちの団に入りませんか?」
そう言って木の陰から金髪の女性が出てきた。
どこかで見たことがある様な。
「あ、寄ってたかって一緒に俺のこと殺そうとしてた人」
「い、言い方が悪いな。まぁ間違ってはいないんだが」
まぁ、何はともあれ。手間が省けた。
「取引をしよう。そうすれば俺もお前達に協力する」
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