60 / 424
食い込むハンガー
7
しおりを挟むやれやれと言った感じで一息入れているナミ。
が、脇に横たわっている摩耶には引き続き地獄が続いていた。
「あっ、ああっ!・・お、お願いっ!痛い、痛いよ、ハアハア・・早く外してっ!は、早く~っ。ハァーーッツ!ンクッ!」
摩耶の声は、悲鳴から切ないわななきに変わっていた。
〝もうやめて!〝
摩耶の声をかき消すかのように、美菜は心の中で叫び続けた。
ナミはようやく摩耶の足から手を放すと息を切らせて言った。
「ふう~手こずらせてくれたねえ。」
とうとうナミは、枕を摩耶の臑の間に挟み込んでしまった。
摩耶の太股にはハンガーが深く食い込み、見えなくなる程肉に埋まっている。
それはもはや、外す事さえ容易には出来ない状態になっていた。
摩耶は、終わる事のない地獄の痛みを味わいながら、ソファの上で呻き続けた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる