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仮面

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「ナミ。。今日はどうしても訊きたい事があるの。」

その日、美菜は覚悟を決めてナミに話を切り出した。
既にこの日の彼女の〝お遊び〝は終わっていた。

美菜の太股は、分厚い大学の卒業アルバム、それも角の部分で何度も強く殴られ、痣だらけになっていた。重く筋肉の奥まで響く痛みで、すぐには足を動かす事もできない程だった。

〝ナミは私自身。。〝

ナミの視線とのシンクロは、夢と呼ぶにはあまりにもリアルだった。
明らかに美菜はナミと心が繋がっていた。

以前から、それは分かっていた事だ。ただ、真実を知る事への恐れから、自ら否定し
続けてきただけだったのだろう。

だが、第三者である麻耶までが関わり始めた今、逃げてばかりはいられなかった。

確かめなければ。

「ナミ、あなたは一体誰なの?もう1人の私?」

決心とは裏腹に、美菜は弱気な口調でナミに話しかけた。

ナミはこちらに背を向け、クローゼットの鏡をずっと覗き込んでいた。

「ねえ、ナミ?そんなにそれが気に入ったの?」

実は今日、ナミは黒い仮面を着けて美菜のところに現れた。
それは、美菜が最近ナミにプレゼントしたものだった。

デザインはいわゆる〝女王様〝系のもので、美菜としては若干皮肉を込めていたのだが。。

「ああ?何だようるさいねえ!」

ナミは仮面を着けたまま、ようやくこちらを振り返った。
自分が選んだからいう訳ではないが、確かに良く似合っていた。
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