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縄跳び
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小学校1年の冬、その日は朝から体育の授業だった。学校に着くなり、みんなで着替えて外に出たが、寒い中全員半袖短パン(女子は当然ブルマー)だったのは、健康の為だったのか、それとも小学生はもともとジャージなんて持っていなかったのか、今となっては覚えていない。
グランドの中央に集合した摩耶達は、一斉に縄跳びを始めた。みんな、学校の隣の文房具屋で売っている、ビニール製の物を使っていた。
しばらくすると、先生が笛を吹いてみんなに跳ぶのをやめさせた。二重跳びを教える為だった。
だが、彼女はいつも自分では跳ばなかった。
「赤川さん、ちょっとやってみて。」
先生は1人の女子生徒に声をかけた。
「はい!」
その子は、名前を呼ばれるとスッと立ち上がり、座っている摩耶達の間を抜けて前に出ていった。
彼女の名は赤川冴子。
みんなにはサエちゃんと呼ばれていた。
サエちゃんは鮮やかに二重跳びを披露すると、みんなの拍手を浴びながらニッコリと微笑んだ。
彼女のこの時の笑顔は、今でもはっきりと覚えている。
なぜなら、この〝サエちゃん〝こそが、摩耶の記念すべき1人目の獲物だったから
だった。
グランドの中央に集合した摩耶達は、一斉に縄跳びを始めた。みんな、学校の隣の文房具屋で売っている、ビニール製の物を使っていた。
しばらくすると、先生が笛を吹いてみんなに跳ぶのをやめさせた。二重跳びを教える為だった。
だが、彼女はいつも自分では跳ばなかった。
「赤川さん、ちょっとやってみて。」
先生は1人の女子生徒に声をかけた。
「はい!」
その子は、名前を呼ばれるとスッと立ち上がり、座っている摩耶達の間を抜けて前に出ていった。
彼女の名は赤川冴子。
みんなにはサエちゃんと呼ばれていた。
サエちゃんは鮮やかに二重跳びを披露すると、みんなの拍手を浴びながらニッコリと微笑んだ。
彼女のこの時の笑顔は、今でもはっきりと覚えている。
なぜなら、この〝サエちゃん〝こそが、摩耶の記念すべき1人目の獲物だったから
だった。
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