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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~
寝室での処刑 後編 ※残酷注意
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私の目の前にいる《カイン・キンバル》は、後ずさりしながら血の流れる陰部を抑え、逃げようとします。
「誰か! 誰かいないのか! 《衛兵》! まさか……お前……《衛兵》を……」
「やっと気が付きましたか。外にいた二人はもういませんよ」
「こ、この!」
《カイン》は、強引に私の体を振り払い、扉に向かって走ります。でも、私は逃がす気はありません。《カイン》の進行方向に【茨の篭】を設置し、作動させます。
────シュルルルッ。
《カイン》は、簡単に捕まりました。
「なんだこの蔓は……だ、出せ……出してくれ……血が……止まらないんだ」
「あなたは、私の父のお腹を裂きました」
罠の棘を作動させます。
────シャカッ!
「うああああ!」
茨の棘を、ランダムに《カイン》の体に突き刺します。この棘は、私に食べられた時と違って、痛みを感じます。そして、必ず急所を避けるので、死ぬことはありません。
「そして、母の背中を裂きました」
罠の棘を作動させます。
────シャカッ!
「がああああ!」
「国王の首を飛ばしました」
────シャカッ!
「んごおおお! や、やめてくれ……」
──「そして……」
────「《レイヤ》を……」
──────「殺しました……」
「あっ……あっ……」
────シャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッ……………………。
「ンギャアアアアァァァァ~~!」
激しい棘の攻撃がしばらく続きました。
…………。
「思い出しましたか?」
「お、おまえ……あの時の……魔女かあああぁぁぁ! 本物の……魔女になって復讐にきたのか! ゲホォッ!」
私は【複製】で、《ミツユスキー》を生成しました。そして…………。
「《シュカ》様……油です」
「かけてあげてください」
ミツユスキーは、リュックから油の瓶を取り出し、《カイン》の頭にかけました。
「や……やめろ……! 俺が! 俺が悪かったあ! だから! 命だけは! ゲホォッ!」
「その命を、簡単に燃やせるあなたには、この死がお似合いです。あなたを私の【複製】リストに載せることはありません。安心して燃えてください……私と同じように……。ミツユスキー、いいですよ」
「はい、《シュカ》様」
ミツユスキーは、石を擦り、火花で《カイン》についた油に着火しました。ゆっくりと燃え始めます。
「ああ、熱い、助けてくれ! 頼む! 助けてくれたらなんでも言う事を聞く! だから……!」
「なら、《レイヤ》を生き返らせなさい! できないのなら、朽ち果てなさい!」
「い、いやだああぁぁ! 俺は……うらやましかったんだあ! 国王への地位を約束された、あいつがああぁぁ!」
「そんな個人的な理由で、私の愛した《レイヤ》を…………」
…………部屋の中は、《カイン》の焼ける炎で明るく照らされていました。
《カイン》は業火に焼かれます。
かつて、私を焼いたように…………。
私は見届けました。
私の全てを奪ったこの男が焼け死ぬまで。
この時だけは、私の中にある人間の心も、私の意思にシンクロしていました。
…………。
これで、私の復讐は終わりました。
もう、人食い花でいる必要はないのかもしれません……。
《カイン・キンバル》は、炭になりました。
私は、目的を達成しました。私を縛っていた何かから開放されたような気持ちです。今日は、森へ帰ってゆっくり休みたい気分です。
────「いや……」
────「食べたくない……」
心の奥で、何かが叫び始めました。これは……。
──「私の中で……いっぱい死んでいく……」
──「もう、耐えられない……誰か……」
──────私は、安心感から心のヒモを緩めすぎました。ストレスの塊となった人間の心が私の表層に出てきます……止められません……!
「誰か……」
…………。
「誰か、私を殺してぇー!」
──────《人間の心》に体の主導権を奪われました……。
「嫌だ……食べたくない……食べたくない……でも……どうして……こんなに……」
…………。
「おいしそうなの……」
…………。
「い・た・だ・き・ま・す!」
────パクリッ!
…………。
──────《人間の心》は、恨みとか、そういうものとは関係なく、ただ、私と同じように食欲に任せて焼け焦げた《カイン》を丸飲みにしてしまいました。
「お~い~し~い~っ! もっと……食べたい……私は……《人食い花》……だから……食べなきゃ……」
──────《人間の心》とは、なんてもろいのでしょう。そう考えると、私が壊れていないことが不思議です。私は、呪いのおかげで生まれた、精神の副産物……なのかもしれません。
「誰か! 誰かいないのか! 《衛兵》! まさか……お前……《衛兵》を……」
「やっと気が付きましたか。外にいた二人はもういませんよ」
「こ、この!」
《カイン》は、強引に私の体を振り払い、扉に向かって走ります。でも、私は逃がす気はありません。《カイン》の進行方向に【茨の篭】を設置し、作動させます。
────シュルルルッ。
《カイン》は、簡単に捕まりました。
「なんだこの蔓は……だ、出せ……出してくれ……血が……止まらないんだ」
「あなたは、私の父のお腹を裂きました」
罠の棘を作動させます。
────シャカッ!
「うああああ!」
茨の棘を、ランダムに《カイン》の体に突き刺します。この棘は、私に食べられた時と違って、痛みを感じます。そして、必ず急所を避けるので、死ぬことはありません。
「そして、母の背中を裂きました」
罠の棘を作動させます。
────シャカッ!
「がああああ!」
「国王の首を飛ばしました」
────シャカッ!
「んごおおお! や、やめてくれ……」
──「そして……」
────「《レイヤ》を……」
──────「殺しました……」
「あっ……あっ……」
────シャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッシャカッ……………………。
「ンギャアアアアァァァァ~~!」
激しい棘の攻撃がしばらく続きました。
…………。
「思い出しましたか?」
「お、おまえ……あの時の……魔女かあああぁぁぁ! 本物の……魔女になって復讐にきたのか! ゲホォッ!」
私は【複製】で、《ミツユスキー》を生成しました。そして…………。
「《シュカ》様……油です」
「かけてあげてください」
ミツユスキーは、リュックから油の瓶を取り出し、《カイン》の頭にかけました。
「や……やめろ……! 俺が! 俺が悪かったあ! だから! 命だけは! ゲホォッ!」
「その命を、簡単に燃やせるあなたには、この死がお似合いです。あなたを私の【複製】リストに載せることはありません。安心して燃えてください……私と同じように……。ミツユスキー、いいですよ」
「はい、《シュカ》様」
ミツユスキーは、石を擦り、火花で《カイン》についた油に着火しました。ゆっくりと燃え始めます。
「ああ、熱い、助けてくれ! 頼む! 助けてくれたらなんでも言う事を聞く! だから……!」
「なら、《レイヤ》を生き返らせなさい! できないのなら、朽ち果てなさい!」
「い、いやだああぁぁ! 俺は……うらやましかったんだあ! 国王への地位を約束された、あいつがああぁぁ!」
「そんな個人的な理由で、私の愛した《レイヤ》を…………」
…………部屋の中は、《カイン》の焼ける炎で明るく照らされていました。
《カイン》は業火に焼かれます。
かつて、私を焼いたように…………。
私は見届けました。
私の全てを奪ったこの男が焼け死ぬまで。
この時だけは、私の中にある人間の心も、私の意思にシンクロしていました。
…………。
これで、私の復讐は終わりました。
もう、人食い花でいる必要はないのかもしれません……。
《カイン・キンバル》は、炭になりました。
私は、目的を達成しました。私を縛っていた何かから開放されたような気持ちです。今日は、森へ帰ってゆっくり休みたい気分です。
────「いや……」
────「食べたくない……」
心の奥で、何かが叫び始めました。これは……。
──「私の中で……いっぱい死んでいく……」
──「もう、耐えられない……誰か……」
──────私は、安心感から心のヒモを緩めすぎました。ストレスの塊となった人間の心が私の表層に出てきます……止められません……!
「誰か……」
…………。
「誰か、私を殺してぇー!」
──────《人間の心》に体の主導権を奪われました……。
「嫌だ……食べたくない……食べたくない……でも……どうして……こんなに……」
…………。
「おいしそうなの……」
…………。
「い・た・だ・き・ま・す!」
────パクリッ!
…………。
──────《人間の心》は、恨みとか、そういうものとは関係なく、ただ、私と同じように食欲に任せて焼け焦げた《カイン》を丸飲みにしてしまいました。
「お~い~し~い~っ! もっと……食べたい……私は……《人食い花》……だから……食べなきゃ……」
──────《人間の心》とは、なんてもろいのでしょう。そう考えると、私が壊れていないことが不思議です。私は、呪いのおかげで生まれた、精神の副産物……なのかもしれません。
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