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真打ち登場

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女は、それを持つと、奈緒美のところに戻ってきた。

長さは、70~80センチはあるだろうか。四角の角材と思っていたが、実際には6角形か8角形の棒の様だ。
よく見ると、固定されている端の部分には、蝶番の様な物が取り付けられている。
もう一方の端には取り付けられていないところをみると、どうやら開く様になっているらしい。
奈緒美はそれを見て、カニを食べる時に挟んで殻を割る道具をイメージした。
実際、素材が木である事、サイズがはるかに巨大である事を除けば、両者にはほとんど差がなかった。


あれは何に使う道具なのだろうか。。

奈緒美は考えたが、すぐにそれが愚問である事を認識した。

これが、この道具が責めの為の道具でなくて何だというのだ。
使い方は今一つはっきりしないが、何かを、人間の体のどこかの部分を挟んで強く締め付ける為の物に決まっていた。刃物の様なストレートさはなかったが、その道具は静かに危険な匂いを放っていた。

「これは、あなたの為に作った物よ。」

女はごく静かに呟いただけだったが、その一言で、奈緒美の心拍数は、心臓が破裂する程急激に上昇した。

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