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――1日目

022.『今後の方針(1)』

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 ――――リビングルーム

道明寺 晶
「とりあえず、ここを一階として――――」

本堂 空太
(アキラの説明ではこうだ。
 ここを一階だと考えたとして、施設は、二階、三階、そして地下の四層にわかれている。
 一階には、さっきの会議室もとい処刑場と、今いるダイニングとリビング、そして、美術室と音楽室がある。

 会議室はアキラ曰く構造は宴会場に近いらしい。
 が、雰囲気は宴会とはかけ離れていて、ほんのり薄暗くて、直斗が言ったようにやばい儀式でもやってそうな感じ。

 ダイニングとリビングは繋がってる。
 16人でたむろすると少し狭いかなと言う感じだけど、椅子やテーブルの数は困らない程度に揃ってる。
 部屋がほんのり薄暗いのは相変わらずだけど、会議室に比べればかなり普通。
 でも、家具や雰囲気は西洋風。俺は詳しくないけど、アンティークってやつ?
 リビングにはビリヤード台と、ダーツボード、それにカラオケセットがある。

 アキラと朔也が探索したんだけど、美術室と音楽室みたいな部屋もあったらしい。
 音楽室はこじんまりした感じだけど、簡易ステージにはピアノが置いてあるんだそうだ。
 ピアノがあると聞いて、和歌野の表情が少し柔らかくなった。弾けるらしい。すごい。
 他にも、ジャズバンドに使うような楽器、ラッパとかサックスとかトロンボーンとか、が飾ってあったそうだ。

 美術室は……めちゃくちゃ気持ち悪いらしい。蝋人形の館。以上。

 筒井たちが探索してくれたのは二階と三階だ。
 二階には男子の部屋と公衆浴場、給湯室と応接間のような部屋があるそうだ。

 自室はそれぞれ四畳半くらい。別途、トイレとクローゼットと言う感じだ。
 クローゼットには金庫があったそうだが、開けられないらしい。
 アンティーク調のベッドと、デスク、パソコンがあるだけで、寝る分には困らないが、鍵は自分ではかけられないみたいだ。あと、防音設備は完璧らしい。
 …………確か、深夜11時から早朝6時に自動施錠されるって言ってた。ゲームのためにも、自分では管理できないってことだ。ちくしょう。
 ちなみに、パソコンも電源が入んなかったらしい。なんのためにあるんだ?

 公衆浴場はモノトーン調で、それなりに小綺麗。広さも5、6人が同時に入れるくらいにはあるらしい。
 …………女子の入浴中に誤って入らないように気を付けないとな。
 洗濯機と乾燥機も設置されているそうだ。

 給湯室と応接室は隣接してるらしい。給湯室は人が一人通れるくらいの狭い空間で、簡易台所、冷蔵庫、コーヒーメーカーがあるそうだ。
 応接室は、これまた四畳半くらいの小さな部屋で、4人がけの椅子とテーブルがあっただけ、だそうだ。

 三階は、女子の部屋と書斎。たぶん部屋は男子と大差ないだろう。
 書斎には、机と椅子と、小難しそうな書物とか古そうな新聞が溢れるほどあるらしい。全体的に埃っぽくて、古びた感じだそうだ。
 漫画の類いはないらしい。…………残念。)

本堂 空太
(そして………………、地下。

 地下の部屋は二ヵ所。一つはリビングから繋がる倉庫で、食料とか、生活用品が補充されると言っていた部屋だ。
 シャッターで区切られてて今は閉まってるそうだが、犯人は深夜、そこから物を運び入れるつもりなんだろう。
 各自、必要なものはそこから使おうと言うことになった。

 そして…………、そして…………、
 思い出したくないが、あの部屋。
 会議室から繋がる、死体安置所と称された、あの物置部屋は…………)

道明寺 晶
「………………秋尾の、遺体があった」

千景 勝平
「……………………!」

佐倉 小桃
「そ……そん、な…………」

道明寺 晶
「これで……イタズラやドッキリの可能性は消えたってことだな」

千景 勝平
「――――――――!
 て、てっ、めえ――――っ」

道明寺 晶
「――――っ」

本堂 空太
「っ…………」
(…………勝平は、アキラの胸ぐらに掴みがかっていた。
 思わず手が出てしまった、…………そんな感じだ)

八木沼 由絵
「しょ、勝平~!!」

千景 勝平
「く…………ぅ…………、
 ……………………悪かった」

道明寺 晶
「……いや…………、俺も言い方が悪かった」

本堂 空太
「………………ほ」



 ………………。





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