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ジャッジ

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それは、熱いとか痛いなどといった、在り来たりの言葉では言い表せない程の苦痛だった。

裕美は、腹の底から野獣の様な呻き声を上げて、激しく身を捩らせた。だが、体をガッチリと押さえ込まれ、焼けた棒を強く押しつけられている為、苦痛から逃れることは出来なかった。
背中を仰け反らせ、両目から滝のような涙をこぼしなから、肌を焼かれる灼熱の痛みを味わい続ける裕美。それはまさに地獄の苦しみだった。

焼き印の儀式は、裕美の体だけでなく、心の芯までも焼き尽くそうとするかの様に、長い時間続いた。そして、温度の下がった棒が、ようやく裕美の体から離された時には、裕美は既に失神していた。


この日以来、゛美女のシリアルナンバー゛の犯人は、゛ジャッジ゛と呼ばれる事になった。
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