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――18日目
130.『岬の自白(3)』
しおりを挟む千景 勝平
「……わかるわけねーだろ、
お前が言ってることはな、全部自分のことばかりなんだよ。
…………邪魔だった? だから裏切った?
ふざけてんじゃねえぞ、こら!」
本堂 空太
(勝平がすこし、声を荒げた。
フェミニストの勝平には珍しいことだ、八木沼以外ではだけど。
それほど、和歌野の言葉からは身勝手さが滲み出ていた)
和歌野 岬
「…………それだけじゃないわ。
…………これ、この冊子はね、『狂人の振る舞い方』と言うんだけど。
どうやらわたしは嘘を吐くことが仕事らしいわよ。
…………わたしが解りやすい嘘を言うことで、人狼に存在を気付いてもらうつもりだった。
明らかに村人だと思ってた花菜が処刑されれば、翌日、生きていれば直斗がそれを証明してくれるわ。
…………わたしが嘘を吐いていたことに」
佐倉 小桃
「……それだって、身勝手な理由じゃない」
和歌野 岬
「そうよ? 悪い?
…………嘘を吐くのがこのゲームのルールなのでしょう?
…………なら、誰かがわたしの代わりに裏切り者を演じてちょうだいよ、
わたしが、……わたしがっ、花菜を殺さなくても済んだように!」
全員
「……………………」
和歌野 岬
「…………できないくせに、偽善者みたいに勝手なことを言わないで!!」
全員
「……………………」
和歌野 岬
(和歌野は、荒い呼吸を繰り返していた。
…………和歌野にとっても小日向を売ることは、辛い選択だったんだろう。
………………でも、今やみんなの憎悪は和歌野に向けられていた。
………………言葉にできないほどの、強い嫌悪感を)
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