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――18日目
131.『岬の自白(4)』
しおりを挟む乃木坂 朔也
「…………もういいだろう。
サキちゃんが裏切り者なのはわかった。
…………他にも話さなきゃいけないことが」
和歌野 岬
「待ってちょうだい。
…………あのね、わたし、生きて家に帰りたいの。
わたしの家は、……ろくな家庭じゃないけれど、それでもわたし、生きていたいって願ったの。
………………いい? みんな。
わたしを処刑しようなんて考えない方がいいわ。
…………意味がないもの。わたしは、『村人』なんだから」
竜崎 圭吾
「勝手なことばっかり言うなよ!!」
和歌野 岬
「いいじゃない、こんな状況なんだもの!
勝手なことばかり言ってなにが悪いのよ!」
竜崎 圭吾
「お前は生きていたいと思ったかもしれないけど、
小日向だって同じことを思ってたに違いねえだろ!
…………なんで、なんでよりよもよって小日向を売ったんだよ!
あんなに小日向はお前に気を遣ってたのによ!」
和歌野 岬
「…………だから、邪魔だったからだって言ってるじゃない!」
竜崎 圭吾
「くそやろう!!
……決めた、俺、和歌野に投票する。
もういいだろう、投票に移ろうぜ!」
小田切 冬司
「待って、竜崎くんまで感情的にならないで」
千景 勝平
「俺も和歌野に投票するぜ。
…………お前のしたことはな、人の道を外れてんだよ。
俺は曲がったことが大嫌いなんだ」
和歌野 岬
「人狼だって、……みんなだって、とっくに人の道なんて外れてるわよ!
花菜に手をかけたのは誰!?
初めに殴ったのは本堂くん、処刑したのは男子たち全員だわ!
善人ぶってるんじゃないわよ!」
乃木坂 朔也
「待て、待てよ、落ち着け」
佐倉 小桃
「そうよ! 言い争いに時間をかけるべきじゃないわ!」
白百合 美海
「あたしは、…………サキちゃんを許せないわ」
間宮 果帆
「…………あたしもだ。この、外道」
和歌野 岬
「なによ…………外道はあなたたちも同じじゃない!」
乃木坂 朔也
「ストップストップ!
俺の話も聞いてくれ!」
全員
「……………………」
白百合 美海
「なあに、朔也」
乃木坂 朔也
「…………俺さ、共有者だって言ったろ?
人狼を罠にかけたくてさ、もう一人は隠しておこうと思ったんだけど、
……人狼は頭がよくて、罠にかかりそうもない。
それに、俺が殺されたら意味がなくなる。
…………昨晩、人狼は俺の部屋を襲撃に来たんだ。だから、
………………もう一人を、証す」
全員
「……………………」
【残り:11人】
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