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――20日目

154.『朝の時間(4)』

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間宮 果帆
「……くそ! やってられるか!」

本堂 空太
(果帆はそう吐き捨てて、どかっと席を立った)

白百合 美海
「か、果帆、待って!」

本堂 空太
(去ろうとする果帆を、白百合が引き留めた)

間宮 果帆
「…………美海」

本堂 空太
(果帆は苦汁を噛むような表情で、白百合を見た)

白百合 美海
「今日の占いで、果帆を見るから!
 だから、もしそれで、村人だったら……!」

間宮 果帆
「やめろよ、そーゆー猿芝居は!!」

白百合 美海
「っ……!」

佐倉 小桃
「……………………」

間宮 果帆
「もうわかってんだよ……美海が、人狼なんだろ?
 もうひとりは誰なんだよ!」

白百合 美海
「し、知らない! あたし、占い師だもの!」

間宮 果帆
「ふざけるなよ! もうボロは出てんだよ!」

白百合 美海
「か、…………果帆……」


全員
「……………………」


小田切 冬司
「そう言うところが怪しい」

間宮 果帆
「あ?」

小田切 冬司
「……狂暴になって、キレるところ」

間宮 果帆
「はあ!? 誰だって無実なのに疑われちゃ気分悪いだろ!
 しかも、こっちは命が掛かってんだよ……っ!」

佐倉 小桃
「…………命懸けなのはみんな同じよ」

間宮 果帆
「…………くそっ!」

白百合 美海
「果帆!」

本堂 空太
(果帆は、白百合を振りほどいた。
 …………俺は走り去っていく彼女を、追い掛けようとすら思わなかった)





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