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『腸』――15日目

138.『アキラの死(6)』

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 ――――AM10:25、果帆の部屋

本堂 空太
「…………つまり、もしゲームをしなくちゃいけない状況になっても、
 その朔也と直斗、筒井と竜崎の4人を守れば村人の勝利は確定ってこと?」

間宮 果帆
「いや、確定とは言えない。
 例えば、4人の中に裏切り者がいたら……人狼3人と村人4人だとしても、裏切り者が村人に投票してそいつが処刑されたら、人狼側の勝利。
 夜、襲撃されたとしても人狼側の勝利だ」

本堂 空太
「…………そっか」

間宮 果帆
「……でも、少なくとも村人なのは間違いないんだ。
 万が一のことがあっても、投票はしちゃいけない、絶対に」

本堂 空太
「…………でも、投票で避けたとしても、夜襲撃されたら終わりなんじゃ」

間宮 果帆
「そうなんだよな。
 でも、無駄な投票はさけられるはず。
 …………まあ、そんな状況にならないことを願ってるけどさ」

本堂 空太
「…………白百合の様子は?」

間宮 果帆
「うん…………、ずっと朔也がそばに着いてるよ」

本堂 空太
「……しょうがないよ。恋人がこんなことになって……、
 …………俺だってもし、君になにかあったら」

間宮 果帆
「そーゆー話、やめようぜ。
 あたしだってお前になんかあったら……」

本堂 空太
「…………果帆はいいの?
 白百合に着いてなくて」

間宮 果帆
「うん…………考えたんだけどさ、
 あたしはお前がいるじゃん、生きて、ここに。
 だから、あたしがそばにいたらつらいんじゃないかって……。
 あたしよりも、ずっと美海のこと大切に思ってる朔也が一番必要なんだよ、今は」

本堂 空太
「…………朔也はさ、やっぱりまだ、白百合のこと?」

間宮 果帆
「…………ああ。
 複雑だよな…………親友が死んで朔也もかなり参ってるはずなのに、
 それでも美海のこと放っとけないんだ。
 わかるよ……、あいつはそういう奴なんだ」

本堂 空太
(…………よっぽど好きなんだな、白百合のこと……。
 そりゃ、そうか。
 …………ずっと温めて来た恋心だもんな)

間宮 果帆
「とにかく、…………空太もさ、あんまり思い詰めるなよ。
 …………あたしは、正直、アキラを殺したやつがこの中にいるって思うと…………どうにかなりそうだけど……。
 でも、人狼だって好きでやったわけじゃないはずだ。
 …………みんなのために、全滅を避けるために、仕方なくだったんだ、……きっと」

本堂 空太
「うん…………そうだよ。
 俺は…………そう、信じるよ」

間宮 果帆
「…………ああ。あたしもだ」
**(…………でも。
 もう、3人も死んだんだ…………)**





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