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『腸』――16日目

155.『もう逃げられない(1)』

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 ――――PM20:00、会議室

筒井 惣子郎
「………………」

七瀬 和華
「………………」

竜崎 圭吾
「………………」

和歌野 岬
「………………」

本堂 空太
「………………。」
(…………重苦しい空気が、場を支配していた。
 もはや今日は、みんな、部屋にとじ込もっていた。
 八木沼の死を確認してから、果帆以外とこうして顔を合わせるのは初めてだった。

 …………5分ほど、経過しただろうか。
 重苦しい沈黙を破って、口を開いたのは筒井だった)

筒井 惣子郎
「…………もう、誤魔化しは効かない」

有栖川 直斗
「………………」

和歌野 岬
「…………遊びは、もう終わりね」

目黒 結翔
「…………なんだと?」

筒井 惣子郎
「やめろ。…………和歌野、言い方に気を付けてくれ」

本堂 空太
(筒井にはもう、普段の温厚さはなかった。
 再び、沈黙が支配する)



 ………………。



小田切 冬司
「…………人狼と用心棒、名乗り出て」


全員
「………………」


小田切 冬司
「…………そうすれば、全てが終わるんだ」

目黒 結翔
「そ、そうだ!
 人狼が自白すれば全ては解決するんだ!」

佐倉 小桃
「…………心中を目的とした自白は、全員の死……だったじゃないかしら」

目黒 結翔
「そ、それは…………でも、ここは会議室だろ?
 会議室では許可するって、パソコンでも書いてあったじゃねえかよっ」

乃木坂 朔也
「…………必要に迫らせた場合のみ、じゃなかったか?」

目黒 結翔
「必要に迫られてるだろ!
 みんなの、全員の命がかかってんだから!」

千景 勝平
「犯人と俺らの解釈は違うだろ。
 うっかり自白して全員死んだらどうするんだ? お前は」

目黒 結翔
「ああ!? そんなの俺が知ったことかよ!
 …………じゃ、自白しなくてもいいから、人狼はとっとと死んでくれよっ、
 勝手に自殺する分にはルール違反じゃねえだろ!」





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