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深夜の資料室で、ひとりの女が死んだ。
背中には――天使の翼の形に刻まれた、ありえない痕跡。
地方財閥・霧島家当主は断言する。
「この館には、呪いが降りている」
呼ばれたのは探偵・蘭々乃舞美子。
26歳、元コンサルタント、霊感ゼロ。武器は論理だけ。
怖がれば「リスクの期待値が許容範囲を超えています」
感謝すれば「初動情報がなければ仮説構築に倍の時間がかかっていました」
感情はすべて、ロジックに翻訳される。
なのに――
「ねぇ、私霊感皆無って言っているのに、なんでそんな案件ばっかり取ってくるの?」
隣に立つ助手・夢理林智彦は霊感が強い。
“視える”。“感じる”。ただし、解釈が当てにならない。
「所長、視えました。あの部屋に呪いが――」
「仮説としては三番目の候補です。まず発生条件を変数で切り分けましょう」
「……それ、『怖い』って言えないだけですよね?」
霊感ゼロの探偵と、視えているのに読めない助手。
能力と感性が逆転した凸凹バディが、財閥の館で連鎖する不審死に挑む。
怪異は嘘をつかない。
でも、人間は嘘をつく――。
登録日 2026.03.08
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