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扉に手を挟んだら、私がふたりになっちゃった。  無人駅を出て私たちが驚いたのは、ふんだんにまぶしたきな粉のように、はっきりと見える数えきれぬほどの星であった。黒蜜の景色にきな粉の空。とんでもない甘党の神さまが、ここを作ったに違いない。おそらく、月はバニラアイスクリームだ。  冗談はさておき、視界いっぱいに広がるそれらはまぎれもなく美しかった。  私の知る空とは夜でも赤っぽく光っていて、星は見えない。光害と言われることは知識だけでなんとなく理解はしていたが、よもやこれほど違うとは。もしかして私がずっと良い子であれば、この景色を知ることができなかったのだろうか。 野生時代短編コンテストに参加中です。
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小説 21,252 位 / 21,252件 ライト文芸 406 位 / 406件
登録日 2018.05.14
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