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 世界は絶えずある化物の脅威に怯えていた。 化物の名はニビル。 人の数に応じてその脅威の度合いが上がってゆく不可思議な化物に、世界のどの国も都市や街の人口を一定に抑える事で対応を余儀なくされていた。 ただひとつ、聖ブルドスタイン王国を除いて。 さる英雄王の手によって建国されたその国は、各国が首都でさえ十万に人口を抑えている中、人口三百万を超える超巨大都市『聖王都アルトゥリア』を有する大国として、英雄の死後二百余年の経った今でさえ世界の頂点に君臨している。 何故ブルドスタインだけが人口の増加に伴うニビルの脅威に怯える事無くその国力を伸ばす事が出来るのか? アルトゥリアの人々は口々に答える 『それはトライアンフがいるからさ』 と。 王国直轄対ニビル戦特殊部隊トライアンフ。 神鉄の巨人を有する彼等は王国の守護者として人々を日々ニビルの脅威より守り続けているのだ。  そのブルドスタインの北国境に位置する極寒の街アシベリから一人の青年将校がゼノス・エッカートが王都へとやって来た。 僻地から首都へ、一見栄転にも見える彼の手には降格と出向、二通の辞令書。 軍人から役人へ。 不可解な左遷辞令と共に、駅を降りる彼の目に止まるフリップボード。「おいでませアルトゥリア!」 青年ゼノスの運命の歯車が回り出す――
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登録日 2016.02.06
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