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第二王子フィリップの誕生日を祝う華やかな舞踏会。その最中、突如として会場に響き渡ったのは、婚約者であるリリアナ・ヴァルモンドへの婚約破棄宣言だった。
壇上に立つ聖女クラリッサは、リリアナが自分を「偽物」と侮辱し、さらには禁忌の闇魔法に手を染めて王家へ害をなそうとしていたと告発する。次々と現れる証人たちは彼女の言葉を裏付けるように証言を重ね、会場の空気はあっという間に「リリアナ有罪」へと傾いていく。
突然の断罪に涙ながらに潔白を訴えるリリアナ。しかし誰も耳を貸そうとはしない。そんな中、妹を庇うように前へ進み出たのは、リリアナの姉、公爵令嬢イリシア・ヴァルモンドだった。
冷静な口調でフィリップに問いかけるイリシアは、この婚約破棄が本当に王家とヴァルモンド家の正式な合意によるものなのかを確認する。追及されたフィリップは戸惑いながらも、それが王家の決定であると断言。イリシアはその言葉を受け入れ、ヴァルモンド家として婚約破棄を受諾すると宣言する。
だが、その穏やかな笑みの奥には鋭い決意が秘められていた。
実はイリシアには、この出来事に覚えがあった。かつて前世の記憶を取り戻した彼女は、この世界が乙女ゲームの世界であり、自らが破滅を迎える悪役令嬢であることを知っていたのだ。そして今、目の前で繰り広げられている断罪劇は、本来の物語には存在しないはずの異変だった。
偽りの聖女、歪められた運命、そして仕組まれた断罪――。
妹の手を握りながら、イリシアは静かに誓う。
これは終わりではない。
すべての真実を暴き、愛する家族を守り抜くための戦いが、今まさに幕を開けようとしていた。
登録日 2026.08.01
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