藍川べる乃

藍川べる乃

短編同士がひそかに繋がっているので、ひとつの話では理解が難しいところがあるかもしれません。少しずつ明らかになる世界像をお楽しみいただけますと幸いです。
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「モーリン、正直に言ってくれ。きみは浮気をしているだろう?」 「え?」 楽しみにしていたデートだというのに、ショーンは会うなりそんなことを言い出した。 浮気? そんな馬鹿な。 わたしは浮気なんて絶対にしていないし、誤解されるような男友だちすらいない。 完全に濡れ衣である。 だがショーンにはなぜか確信があるようで、戸惑うわたしの姿をごまかしているのだと決めつけてきた。
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文字数 61,413 最終更新日 2022.05.19 登録日 2022.05.19
「この部屋のにおいって苦手だわ。生理的に無理というか……あ、ごめんなさい」 兄の婚約者のシドニーは、まるでうっかり失言したかのように口元を押さえた。 「おい、なんてことを言うんだ。シーラがびっくりしているだろう」 「ええ、ついうっかり。あまりに臭か……ううん、なんでもないわ」 兄が注意をするが、謝るふりしてまたわたしに嫌味を言ってくる。 これで何度目だろう。 わたしと兄のジョシュアは仲がいいので、ジョシュアが家を訪れて一緒に食事をすることがよくある。 料理のできないシーラはそれが気に食わないらしく、たまについてきては同じような嫌味を繰り返すのだ。
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文字数 40,765 最終更新日 2022.05.17 登録日 2022.05.17
幼なじみのアリーヌとわたしは、王城でふたりして誕生日を祝われていた。 まったく同日に生まれたわけではないのだが、同じ月に生まれて、しかも同じ王家の兄弟と婚約しているという共通点から、一緒に祝われることになったのだ。 アリーヌは第一王子のフィリップと婚約し、わたしは第二王子のユベールと婚約している。 一緒に参加したパーティでそれぞれ見初められたのは、もう3年前になるだろうか。 横にいるアリーヌの顔を見ると、彼女は幸せの絶頂のような輝いた表情をしている。
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文字数 40,926 最終更新日 2022.05.16 登録日 2022.05.16
「カレン。あなた、わたしの婚約者といったい何をしているの?」 「あら、サンドラお姉さま」 ゴードンの家を訪れると、そこには妹のカレンがいた。 ふたりが知り合いだっただけでも驚きだというのに、カレンはゴードンの膝に乗り、下着を脱いだ状態で彼に抱き着いていたのだ。 もう言い逃れができる状況ではない。 だけどカレンは落ち着いた様子でゴードンに軽くキスをして、下着を履いた。
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文字数 111,038 最終更新日 2022.05.14 登録日 2022.05.14
カルロ王子からの使者がわたしの家にやってきた時点で、嫌な予感がしていた。 「王子からの手紙です。急ぎ、返事をお書きくださいますよう」 「……わかったわ。すこし待って」 意を決して封を開けると、そこには簡潔に婚約破棄する旨が書かれていた。 思ったとおりだ。 わたしが幼なじみと浮気をしたという噂が広まった時点で、こうなることを予感していたのだ。
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文字数 91,481 最終更新日 2022.05.13 登録日 2022.05.13
「えっ……婚約破棄を申し出ろって、どういうことですか?」 わたしはギュンター王子とのデートに向かう途中、突然黒ずくめの男に路地裏に引き込まれ、脅されていた。 殺されるか犯されるかと震えたが、男から言われたのは「婚約破棄しろ」の1点のみ。 どう考えてもギュンターに横恋慕しているどこかの令嬢が雇ったならず者だというのがわかった。
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文字数 44,893 最終更新日 2022.05.12 登録日 2022.05.12
「前線のラルフ殿から伝令です。サリア様に、どうか婚約破棄してほしいと……」 「しません」 わたしは傷だらけの姿で必死に伝えに来た伝令の兵士に向かって、即座に言った。 愛するラルフからの頼みだろうが、それだけは聞けないと思ったのだ。 「しかし、ラルフ殿はもう……。最期の力でおっしゃったのです。どうかお聞き入れください」 「ラルフは死なないわ。絶対に帰ってくるってわたしは信じているの」
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文字数 79,971 最終更新日 2022.05.10 登録日 2022.05.10
「カテリーナが婚約破棄されたらしい。近衛隊長と浮気をしたそうだ」 わたしが婚約破棄して実家に戻った後、どこからともなくそんな噂が聞こえてきた。 カテリーナとはわたしの名だ。 浮気? そんなことは一切していない。 婚約していたアンドレア王子のほうが、使用人の女と浮気をしたのが原因だ。
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文字数 61,880 最終更新日 2022.05.09 登録日 2022.05.09
「ジェーン、頼むからもうすこし母と仲良くしてくれないか?」 「そんなこと言われても……」 困り果てるわたしに、マーク王子は「頼むぞ」と念押しして去っていった。 マーク王子のお母様は、この国の王妃だ。 とても厳格で気高くて、そしてわたしのことを嫌っている。 嫌っているというよりも、もはや殺してでも息子との婚約を破棄させようと考えているようだった。
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文字数 59,834 最終更新日 2022.05.08 登録日 2022.05.08
「そんなに妹のほうがお好きでしたら、どうぞ婚約破棄してください」 わたしがそう言い放つと、オリヴァー王子は険しい顔をして首を振った。 「そういうわけにもいかないんだ。親同士が決めた婚約をおいそれと破棄するわけにはいかない」 「そうですか」 浮気はしておいて、婚約破棄はしないと言う。 オリヴァー王子のその歪んだ倫理観にはわたしは心底うんざりしていた。
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文字数 57,616 最終更新日 2022.05.07 登録日 2022.05.07
「お母様に嫌われたら生きていけません。どうか、どうか許してください」 「お母様ですって? この娘はいったい何を言っているのですか?」 「え?」 それが、わたしと王妃との最後の会話だった。 デヴォン王子の婚約者であるわたしのことを、王妃は道端で倒れている浮浪者を見るような目で見て、そして言った。 「デヴォン、この汚らしい娘を裏路地に捨ててきなさい。城にこんなゴミを入れてはいけませんよ」 「わかりました、お母様」
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文字数 81,926 最終更新日 2022.05.06 登録日 2022.05.06
「ユーゴ王子が隣国のキャロリン姫と婚約なさるらしい」 街じゅうからそんな噂が聞こえてきて、わたしは心底驚いてしまった。 なぜならユーゴ王子はお忍びでわたしと逢瀬を重ねていて、婚約の口約束もしている仲だったからだ。
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文字数 68,005 最終更新日 2022.04.28 登録日 2022.04.28
「ナターシャ、あいつと結婚なんかしないでくれ」 「え? なにを言ってるのよ」 わたしはエリックのその言葉を、最初は冗談だと思った。 来月に控えたわたしとデヴィッド王子との結婚をまえに、幼なじみの彼は「ひとことお祝いを言いたい」と言って家に尋ねてきたのだ。 小さいころから一緒に遊んでいたエリックだったが、わたしと恋仲になったことは一度もない。 仲のいい兄妹みたいなものだとずっと考えていた。
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文字数 68,756 最終更新日 2022.04.27 登録日 2022.04.27
使用人のわたしがいつもどおり廊下を掃除していると、この屋敷の令嬢のマルグリット様の声が部屋から漏れ聞こえてきた。 「そうよ、明後日の昼までには実行しなさい。それ以降になると厄介だから」 「……わかりました。確実にしとめます」 「頼んだわよ、じゃあ行きなさい」 誰か知らない男と会話をしている。 お嬢様にはジャン様という幼なじみの婚約者がいるが、男の声はジャンではない。 貴族でも町の人間でもない、もっと暗い闇の中で生きているような恐ろしい声だった。
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文字数 72,659 最終更新日 2022.04.26 登録日 2022.04.26
「へえ、ニコラ王子が婚約破棄したんだ。あの気の強そうな婚約相手、フラれちゃったのか。かわいそ」 わたしは朝食のあとの紅茶を飲みながら、父が読み終わった新聞を見てつぶやいていた。 ニコラ王子は我が国の第一王子で、年の離れた老王が数年以内に王位を譲ると言われている。 そんなニコラ王子が婚約破棄をするだなんて、ゴシップとしてはちょっと強烈すぎて、きっと街じゅうがその話題で持ち切りだろう。 わたしは家事手伝いの身なので城下町に行く用事はとくにないから、その騒ぎを実際に目にすることはできない。 せいぜいここで新聞を読みながら無責任なひとり言をして楽しむくらいが関の山だ。 しかし、その記事を読み進めていると、最後に記者の特ダネ情報として強調して書かれている枠があった。 「ええと、なになに……。ニコラ王子の婚約破棄の裏には、新しい恋人の存在があるともっぱらの噂だ。その相手は街はずれで家事手伝いをしているマドレーヌという少女で――」 え? マドレーヌ? それってわたしの名前だ。
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文字数 102,034 最終更新日 2022.04.25 登録日 2022.04.25
「ねえ、エレーヌ。あんたアタシの婚約者の浮気相手になってくれない?」 姉のジャクリーヌは、実家に帰ってきてすぐにわたしに言った。 「くれない?」なんて訊いてはいるが、これはほとんど命令みたいなものである。 幼い頃からジャクリーヌの言いなりにされてきた妹のわたしは、彼女のこの言い回しが身の毛もよだつほど恐ろしい。
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文字数 73,581 最終更新日 2022.04.24 登録日 2022.04.24
「アンドレ、その女性は……?」 わたしは自分がノックをしたかどうか覚えていない。 たぶんしたと思うのだけれど、アンドレの部屋の中から飛び込んできたその光景が衝撃的すぎて、直前の記憶が吹っ飛んでしまったのだ。 「ああ、エルザ。紹介していなかったね、こちらはセリーヌ。ぼくの幼なじみだ」
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文字数 67,475 最終更新日 2022.04.23 登録日 2022.04.23
「ああ、この世界に転生して本当によかった~」 わたしは草むらに寝転んで優しい風に吹かれながら、青空を眺めていた。 ここは王都から遠く離れた辺境の地。 わたしは辺境伯と呼ばれているお父様の一人娘として、第二の人生を歩んでいる。 第二の人生というのは、本当にそのままの意味だ。 前世では悲しい最期を迎えたわたしだが、女神様に転生させてもらって、希望どおりの身分を得ることができた。
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「テリーザ、お前……その料理にいま何を入れた?」 背後からナイジェル王子に話しかけられたわたしは、心の底から驚きながらも、できるだけ優雅に振り返った。 「あら、ナイジェル様。どうなさいまして? 調理場に来られるなんて珍しい。わたしはすこしお腹が空いたので、つまみ食いをしていただけですわ」 「ぼくは見ていたぞ。お前はその料理に、懐から出した粉を混ぜていた」
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文字数 76,806 最終更新日 2022.04.21 登録日 2022.04.21
王都から追放されて、もう三年になる。 風の噂では、わたしに罪を着せてフィガロ王子の婚約者の座を奪ったあの女は、浮気を繰り返して死刑となったらしい。 ざまあみろという気持ちが湧いてもおかしくないのだけれど、もうわたしとは関係のない世界なので、とくに感想は浮かばなかった。 そんな浮世離れした気持ちですごしていたある日、粗末な木戸を叩く大きな音で起こされた。 「どなたですか?」 「サリー様ですか? フィガロ王子の使いで参りました」 「……帰ってください」
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文字数 65,204 最終更新日 2022.04.20 登録日 2022.04.20
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