一途に好きなら死ぬって言うな
ひとりでいたい、友達なんていらない。高校生の香澄は、とある出来事をきっかけに人を信じることをやめた。地元を出ることを願い、淡々と日々を過ごす。今日だっていつも通りの一日になるはずだった。変わり者の同級生・鷺山と『例大祭の日にどちらかが死ぬ未来』を見るまでは――。突然の未来予知に動揺する香澄に対し、鷺山は冷静に『香澄を生かすために自分が死ぬ』と宣言する。なぜなら、香澄が好きだからと。意味不明な理由に納得できない香澄は、『借りを作りたくない』と言って未来を変えるべく奔走する。一匹狼の私と、秘密を抱えた君。二人の想いが重なる時――過去と未来、すべてが繋がる、16日間の恋が始まる。
君のいちばんになれない私は
かつて将来を約束しあった、幼馴染の千歳と拓海。北海道の離島で暮らしていた二人だけれど、甲子園を目指す拓海は、本州の高校に進学してしまう。幼い頃の約束を胸に秘めつつ、素直に気持ちを伝えられないまま、千歳は拓海を待ち続けていた。やがて三年が過ぎ、ようやく帰島した拓海。その隣には、「彼女」だという少女・華の姿があった。さらに華は、重い病にかかっているようで……忘れたいのに、忘れられない。傷つくとわかっていても、この恋を諦められない――すれ違う二人の、青くて不器用な純愛ストーリー。