α次郎

α次郎

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大衆娯楽 連載中 長編 R15
中村亮は、二十四歳で死んだ。 バイトをして、酒を飲んで、何者にもなれないまま。それでも死ぬつもりはなかった。ただ、川に落ちた。 目を覚ました先は、剣と魔法の異世界だった。 前世の記憶がある。見知らぬ魔法まで発現していた。 今度こそ、何者かになれるかもしれない。 だが、亮を待っていたのは女神でも祝福でもなかった。 拘束具。書類。前世問診。 この世界にとって、転生者は奇跡ではない。前世の知識と発現した力によって等級を付けられ、国家の管理下に置かれる。医師は医療知識で重宝され、技術者は技術で迎えられる。前世で何者でもなかった者でさえ、強い力を引けば勇者や聖女として遇される。 亮に下された判定は、C級。 発現したのは、無効化魔法。対象の魔法効果を強制的に「無」へ上書きする、珍しい力だった。しかし制御が粗く、味方の魔法すら巻き込む。 C級。 亮はその判定を、受け入れられなかった。 前世で何も持たなかった者でさえ、強い力を引けば選ばれる世界だ。なら何故、自分はまたここに落ちるのか。あそこに行きたかった。勇者に、英雄に、選ばれる側に。その怒りは上位の神託者たちへの嫉妬と混ざり、居場所を見つけた。自分をC級と呼んだ世界は、何を見落としているのか。 亮の怒りを、世界は別の目で見ていた。 三百年以上前、制御されなかった転生者が「魔王」と呼ばれた。それ以来、世界は過剰なまでにその再来を警戒している。 無効化魔法は、魔法契約、加護、封印...。この世界の秩序そのものに干渉できる。その力と、高位の神託者への敵意が、本人の中で繋がり始めていた。 やがて世界は、C級転生者・中村亮をこう記録する。 第二の魔王候補、と。
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小説 22,106 位 / 22,106件 大衆娯楽 641 位 / 641件
登録日 2026.05.24
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