『桜の護王』10.直面(ひためん)(14)アッ...
村上が掠れた声でつぶやいた。
「……凄絶な……美しさだな……まるで……彼が仕える神がここにいて、そのためにだけ舞っていると言いたげな…」
はっとしたように村上が洋子...
「……凄絶な……美しさだな……まるで……彼が仕える神がここにいて、そのためにだけ舞っていると言いたげな…」
はっとしたように村上が洋子...
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登録日 2016.09.16 01:55
『桜の護王』10.直面(ひためん)(13)アッ...
眠りかけていた洋子を揺り起こし、照れくさそうにそっぽを向きながらつぶやいて、滑り込むように体を重ねてきた。
とろけるようなつぶやきを何度も耳もとで聞いていた...
とろけるようなつぶやきを何度も耳もとで聞いていた...
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登録日 2016.09.15 01:02
『桜の護王』10.直面(ひためん)(12)アッ...
「二度と…会えへん」
そっと洋子の体を離す。今度は優しい切ない瞳で洋子をじっと覗き込んだ。
「ここにいるあんたには……もう…会えへんのや……そう思たら……」
くす、...
そっと洋子の体を離す。今度は優しい切ない瞳で洋子をじっと覗き込んだ。
「ここにいるあんたには……もう…会えへんのや……そう思たら……」
くす、...
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登録日 2016.09.13 21:48
『桜の護王』10.直面(ひためん)(11)アッ...
「つまり…花王紋があると、護王に気持ちが伝わるの?」
「気持ちちゅうか、傷、ちゅうか。姫さんがひどく傷ついたら、俺がその傷みを背負う………俺は『丈夫』にできてるさか...
「気持ちちゅうか、傷、ちゅうか。姫さんがひどく傷ついたら、俺がその傷みを背負う………俺は『丈夫』にできてるさか...
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登録日 2016.09.12 22:43
『桜の護王』10.直面(ひためん)(10)アッ...
「えーと…」
気持ちいいからつい眠ってしまったのだ、とぼそぼそと答えると、一瞬沈黙した護王は
「寝てたぁ…?」
情けない声を上げた。それから、ぎゅ、といっそう...
気持ちいいからつい眠ってしまったのだ、とぼそぼそと答えると、一瞬沈黙した護王は
「寝てたぁ…?」
情けない声を上げた。それから、ぎゅ、といっそう...
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登録日 2016.09.11 10:52
『桜の護王』10.直面(ひためん)(9)
「…姫…さん?」
低く掠れた声が洋子を抱き締めたまま、居心地悪そうに呼んだ。
「あんた……生きてるんや…?」
「うん……きついよ……ゆるめて…」
ようやく何とか応えら...
低く掠れた声が洋子を抱き締めたまま、居心地悪そうに呼んだ。
「あんた……生きてるんや…?」
「うん……きついよ……ゆるめて…」
ようやく何とか応えら...
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登録日 2016.09.10 23:40
『桜の護王』10.直面(ひためん)(8)
(これはいけない)
声は哀れみを込めて繰り返す。
(助けるつもりであったのに……これではそなたを追い詰めるばかりか)
誰?
問いかけた自分の声にいきなり視界...
声は哀れみを込めて繰り返す。
(助けるつもりであったのに……これではそなたを追い詰めるばかりか)
誰?
問いかけた自分の声にいきなり視界...
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登録日 2016.09.09 23:16
『桜の護王』10.直面(ひためん)(7)
「あたしは、あんたが、嫌いや」
洋子は吐き捨てた。
自分を裂くように言い捨てた。
「あんたの何もかもがうっとうしいねん。二度と顔も見とうない」
ぐいと首を...
洋子は吐き捨てた。
自分を裂くように言い捨てた。
「あんたの何もかもがうっとうしいねん。二度と顔も見とうない」
ぐいと首を...
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登録日 2016.09.08 21:42
『桜の護王』10.直面(ひためん)(6)
そんなことはない。洋子は護王に添いたくて、護王と一緒になれるかもしれないと思って、胸をときめかせながらやってきた。が、今となっては、その期待感さえも恥ずかしい...
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登録日 2016.09.08 00:52
『桜の護王』10.直面(ひた面)(5)アップ。
「あ、あの、ごめんなさい、そやから、その、ここに」
みるみる熱くなってくるのを振り切るように、ブラウスのボタンを外しかけると、ことさら大きい溜息を護王がつい...
みるみる熱くなってくるのを振り切るように、ブラウスのボタンを外しかけると、ことさら大きい溜息を護王がつい...
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登録日 2016.09.06 23:04
『桜の護王』10.直面(ひた面)(4)アップ。
(どうか……あたしにも、大切な人が現れますように)
物心ついてからずっと、茜と比較され続けてきた。洋子は洋子なりに頑張ってはみていたのだけど、それでも持って生ま...
物心ついてからずっと、茜と比較され続けてきた。洋子は洋子なりに頑張ってはみていたのだけど、それでも持って生ま...
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登録日 2016.09.05 12:48
『桜の護王』10.直面(ひためん)(3)アップ...
はら、と洋子の気持ちを察したように、目許すぐに桜の花が降り落ちてきて、息を呑んだ。風も止まっているのに、まだ満開でもないのに、いきなりふいに洋子を慰めるかのよ...
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登録日 2016.09.04 12:19
『桜の護王』10.直面(ひためん)(1)(2)ア...
「ここだ」
ごろりと寝転がってまっすぐに視線をやると、視界はピンクがかった白い靄に覆われている。ここなら枝の具合も、ほとんど目に入ってこない空の具合も、そっく...
ごろりと寝転がってまっすぐに視線をやると、視界はピンクがかった白い靄に覆われている。ここなら枝の具合も、ほとんど目に入ってこない空の具合も、そっく...
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登録日 2016.09.03 23:19
『桜の護王』9.蒼(12)アップ。
「なぜ裏切った」
これまでの刺客とは違い、相手は突然真芯に触れてきた。
「祖国を裏切ったのに、なぜ寝返らなかった」
ふいに、胸を突き上げてくるものがあった。...
これまでの刺客とは違い、相手は突然真芯に触れてきた。
「祖国を裏切ったのに、なぜ寝返らなかった」
ふいに、胸を突き上げてくるものがあった。...
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登録日 2016.09.01 21:09
『桜の護王』9.蒼(11)アップ。
「私も、ですね?」
洋子は微笑みかけた。
初めて村上の表情が強ばった。
「私は、囮、なんですね?」
無言の相手に静かに確認する。
「携帯を持たせたのも、接...
洋子は微笑みかけた。
初めて村上の表情が強ばった。
「私は、囮、なんですね?」
無言の相手に静かに確認する。
「携帯を持たせたのも、接...
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登録日 2016.08.31 22:29
『桜の護王』9.蒼(10)アップ。
頭の芯がくらくらするような思いで、相手の無邪気にさえ見える微笑を見つめた。
全く悪気がないように見える。むしろ当然のことをしているという自信さえ見える。裁か...
全く悪気がないように見える。むしろ当然のことをしているという自信さえ見える。裁か...
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登録日 2016.08.30 11:45
『桜の護王』9.蒼(9)アップ。
「ちょっとお話があるんですが。日高のことで」
びくっ、と護王が背中から熱湯をかけられたように振り返った。一瞬外からの光に照らされた護王の目許に何か煌めくもの...
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登録日 2016.08.29 22:27