獅東 諒

獅東 諒

基本、純文学以外は何でも書きます。 元々はライトSF、怪奇、推理小説をメインに書いていましたが、最近はもっぱらファンタジーを書いています。

「モブ令嬢の旦那様~」第二話投稿しました。

「こんにちは、フローラ・オーディエント・エヴィデンシアです」
「こんにちは、グラードル・ルブレン・エヴィデンシアです」

「あの、グラードル様。まだ婚姻の義が済んでおりませんので、中間姓は変わっておりませんわ」
「ああぅ、またやってしまった」

「そうです。せっかくですからオルトラント王国周辺で多い氏名の付け方のお話をしませんか?」
「さすがフローラ、フォローありがとう。そうだね、この国周辺の名付けってちょっと複雑だよね」

「それでは、王族や貴族の氏名ですが、『名・中間姓(母方の父姓)・父姓』となります。
「男性優位の世界ってのが如実に表れてる名前の付け方だよね」
「そうですね。両親の一つ前の血筋が分かる形ですね。ちなみに結婚いたしますと、嫁いだり婿入りした方の姓が中間姓に変わります」
「俺の場合、婿入りしたことになるから中間姓が、『アンデ』から『ルブレン』に変わったわけだね」

「次に上級市民ですが、『名・姓』となります。こちらは一般に受け入れやすいのではないでしょうか」
「そうだね。ただ上級市民の市民権を持っている人たちは良いけど、下級市民は『名』だけだから、上級市民になったときに『姓』が与えられるんだよね。そのあたりってどうなってるの?」

「下級市民の方々が、上級市民になりますと『姓』賜るのですが、それは姓を受理する法務官の意向によって変わってきます」
「もしかして、そのときの気分ってやつ?」
「えぇ……いえ、そんなこともないとは思うのですが。一応希望も聞かれるそうですよ……」
「フローラ。目が泳いでるよ」
「……ひどいです。グラードル様」
「ごめん……なんか可愛かったんで……」

「コホン。その――最後に貧民街の方々ですが……そもそも市民登録がなされていませんと、記録上は名が無いということになります」
「それだと通称になるってことだね」
「そういうことになりますね」

「それでは、また次回の近況報告でお会いいたしましょう」
「それでは」
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登録日 2020.04.19 17:29

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