無事、完結いたしました、ありがとうございます。
　この作品のテーマとしては、大人の友情と人生の転機、そして、目、です。
　エピローグで描いたのは、聡子から見た一真で、ストーリー中の彼とは印象が違ったと思います。ストーリー中では、一真の優柔不断さ、弱さ、本当の姿、を書きました。人によって映る一真の姿の違いも、それぞれ書いたつもりです。
　人は、成長するたび、ロール（role）を背負うことになります。その場面場面で、ロールを演じることにより、社会的責任を果たしている、というわけです。その中で、考え方や、物の見方が変わっていく、ということもあります。うまく演じきれない一真にとって、罪ばかり増やしていく聡子の存在は、まるで自分だったのかもしれません。
『Dusty 』は、ただ単に汚れている、という意味ではなく、埃まみれの、という意味で使いました。埃、は大人になるにつれつきまとう、しがらみや偏見、執着、嫉妬、などのことです。その埃がなくなったとき、また見える世界が変わるのかもしれません、そんな意味を込めて、書き上げました。
　これから読んでいただけるなら、そんなことを思いながら、進めていただけると嬉しいです。