廣原琉里

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様々なテーマを設定した長編ファンタジーを投稿しています。感想などあれば励みになります。

小話4-8「ヒロトとミニドラゴン(その8)」

■ヒロトとミニドラゴン(その8)
(登場人物:ヒロトたち4人、ミニドラゴン)

 さて、時間は少し進んで港町に着いたオレたち。
 荷馬車から降りつつ、オレは荷物袋にドラゴン君を入れる。

「フェルネ、オレが良しって言うまでぬいぐるみのフリ、いいかい?」
「キュイ!」

 まかせろ! と言う感じで右手を挙げるドラゴン君ことフェルネ。
 キリッ、と自信気なその表情に少しだけ不安だけど、この子しっかりしてるし大丈夫か。

「ヒロトと違って、聞き分けがいいなフェルネは」
「アルム、それどういう意味?」
「言葉通り」
「むっかー!? アルムのばーか、ばーか!」
「お前と同レベルでは争わんぞ」

 しれっとするアルムに、オレは思わず地団駄を踏む。
 その後ろで、サディエルとリレルは呆れ顔だ。

「……煽られたら意外とすぐに喧嘩売るのどっちだか」
「まぁ、言わない方が良いですよサディエル。アルムがいじけます」

 さて、ドラゴン君の名前について。
 先日の話だが、サディエルたちと話し合ってようやく命名と相成った。
 最も、大半の候補はオレが出す羽目になったんだけど。
 曰く『ヒロトが拾ったんだから、ヒロトが責任もって命名すべき』とのこと、解せぬ。

「にしても、ヒロトとアルムのじゃれ合いの間も、フェルネは真面目にぬいぐるみのフリしてるな」
「ですね。とっても賢い子です」

 そんなサディエルたちの会話が聞こえ、オレはちらりと荷物を見る。
 そこには、キリッ、としたまま微動だにしないフェルネの姿。
 ドラゴンって種族なのもあるんだろうけど、知能高いなぁ……

「さて、クレインさんを待たせている。早く行こう」
「はーい!」
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登録日 2021.09.18 23:54

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