天才の創る映画とはこーゆーのだ！！
という映画を観てしまいました。

ぼくはマンガ、
『スケット・ダンス』が大好きで、
何度も何度も読み返しているのですが、
あのマンガに出てくる、
〈クソゲーシリーズ〉が特に好きで。

このサイコ・ゴアマンにも、
製作者がテキトーに考えて、
たぶんだれも理解していない、
ていうか成立していないクソゲー、
といっても球技ですが、
が、出てきます。

このバカみたいなタイトルは実は、
ずっと気になっていました。
でも、モンスターがキグルミだったりとか、
ヤバそうな臭いもプンプンしてますし、
値段も安くはないですし、
どーすっかなぁと悩みに悩み、
レビューを見たり動画を観たりして、
んー、やっぱ面白そう！！　と決断し、購入。

開始１５秒で、
あ、これ天才のやつだと、
アタリを確信。

基本、ファミリーハートフルコメディですが、
開始早々、
妹が上記のクソゲー球技、
〈クレイジーボール〉に勝ち、
自らを生き埋めにするための穴を、
兄に掘らせているという、
ほのぼのとした子供たちの場面が、
爽快かつなにそれ！？　という笑いをくれます。
自称クレイジーボール世界チャンプの妹が、
掘った穴から出てきた名もなき悪魔に、
『サイコ・ゴアマン』と名付け、
好きな男の子を家に返さないために、
悪魔の力で脳ミソ型モンスターに変化させたり、
警察を生きたままゾンビにしたり、
元部下の悪魔に裏切られ、
皆殺しにしたり、
ファミレスに一緒に行ったり、
悪魔の封印された過去の物語を、
退屈すぎて誰も聴いてなかったりと、
ハートフルで血みどろな毎日が続きます。

十字架にかけられた基督像を、
オマエに訊くことなどない！　と、
十字架ごと膝で叩き割る少女とか、
もう、大丈夫！？
と心配になるくらいの、
最高にロックなコメディ映画でした。

ここ最近観たなかでは、
ぶっちぎりの一位ですね。

バカ中のバカ映画。

でも、ラストは、
バカではたぶん理解が及ばない、
愛の曖昧さという哲学的なもので、
そこにまったく説明がないところも、
さすがと拍手したくなりました。

ぼくなら我慢できずに、
一言くらいは説明しちゃいますもの。
オレ今、難しいこと言っちゃってるぜと。
わかってくれてるかい？　と。
でも、この映画はそれを言わない。
やっぱ、
プロってスゴイなと感動しました。