「私はお金の究極的な本質を知っている」と公言する人がいたら、皆さんはどう思いますか？　私個人としては、胡散臭い眼差しを向けずにはいられません。その最大の理由は、お金は人を容易く悪人にするからです。

　お金は人を、容易く悪人にします。金のためなら殺人もいとわない人が、地球には大勢いますからね。

　そして上記を、人類は感覚的に理解しています。社会の荒波にもまれた大人は特に、その傾向が強いのではないでしょうか。「自分が悪に染まらなかったのは、幸運に恵まれただけ。一歩間違えば、金のために何でもする人間に、自分もなっていたかもしれない」　身を震わせてこう告白する人は想像以上に多く、そしてそういう人はむしろ善人なのではないかと私は考えています。

　だから、どうしても思ってしまうんですよ。

「究極的な本質」なんて言葉を使うからには、金が人を悪に引きずり込む仕組みも、もちろん解っているんですよね、と。

　続きは次回に。