作中、郵便保護銃として登場する「Ｓ＆Ｗモデル２アーミー」という銃についてお話します。と言っても、私自身は全然銃の知識がないので、調べた情報の受け売りなんですが。
　この拳銃は、アメリカの有名な銃器メーカー、スミス＆ウェッソン社が1861年頃から1874年頃に製造したリボルバーで、特に南北戦争期に注目されたモデルです。日本では坂本龍馬が所持していたとされることで知られています（ただし、龍馬が実際にモデル２アーミーを持っていたかどうかは、歴史的資料に明確な証拠がなく、後世の創作や伝説の可能性もあるそうです）。
　口径は、32口径。シングルアクション・リボルバーで、シリンダーには6発装填することができます。
　この銃の特徴ですが、こちらの動画を見ていただく方が分かりやすいのではないかと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=VBJnPr7y_Uo

　本作中で、瑠唯子が「フレーム下部のラッチを引いて、バレルを上へ跳ね上げる。六発全弾装填済みなのを確認して、バレルを元の位置に戻し、撃鉄を起こす。」という、この銃ならではな特徴ある動きをしているのですが、これも先の動画を見ていただくのが分かりやすいかなと思います。

　約７７，０００丁が製造され、日本にも幕末から明治初期にかけて海外から大量に流入しました。本作の時代（大正六年（1917年））には、もう製造終了から約40年が経過しており、かなり旧式の銃です。
　しかし、郵便逓送員の携帯する郵便保護銃として、メンテナンスし、品質を維持しながら、大切に広く使われていたようです。スカイツリーのあるスカイツリータウン・ソラマチの郵政博物館には、当時の郵便保護銃が展示されています。