拙作『聖女と呼ばれておるが、ワシは剣客じゃよ？　乙女となった御隠居剣豪』外伝之弍『王位簒奪顛末記』、本日完結いたしました。
コンセプトは「時代劇＋ミステリー」。お楽しみいただけましたでしょうか？
面白かったと思っていただけたなら、ぜひ感想やレビューを頂けると嬉しいです。

本作の主人公ゲルダは、池波正太郎先生『剣客商売』の秋山小兵衛がモデル。
前世が老剣客だったため、転生しても老人口調という設定です。
今回の外伝は「剣客商売にありそうな事件をファンタジーでやる」という狙いで書きました。

弟子が殺し屋に斬られて事件に巻き込まれる展開、そして黒駒のアンネリーゼは弥七親分がモデル。
ただの目明しではインパクトに欠けるため、暗黒街の顔役という一面を与えて貫禄を出しました。

グレーテは不幸な人生を送りながらも、前田利家公の奥方・まつのように慈愛深い人物に設定。
短くも儚く散った彼女の生き様は、ゲルダにとって大きな意味を持ちます。

敵役シュピーゲルは昭和ミステリーのケレン味を意識。
鼻や耳のない顔、人皮を被ってそっくりに化ける描写は、現実的ではないですが「物語の面白さ優先」で入れました。

また、作中に名前だけ登場したヴァレンティーヌは、実は王族殺しの罪を着せられたヴァレンティアとシュピーゲルの娘。
両親の名誉を守るため、貴族としての矜持を貫いて生きています。
アッヘンヴァル家も、聖女となった彼女を誇りに思っています。

次章も外伝として、本編で謎多き「聖都スチューデリアの守護神」と呼ばれた大将軍のエピソードへ。
無双しすぎて白けないよう、第三者目線で彼の誕生と歩みを描く予定です。
少し怪談めいた物語になるかも知れません。

今後も面白い物語を届けられるよう努めますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。